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ナカムラクニオ 世界の果ての本屋さん

ナカムラクニオ 世界の果ての本屋さん
第13回「南米パラグアイ編」

世界の果ての本屋さんバナー

第13回「南米パラグアイ編」

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パラグアイは、南アメリカの中央に位置する小さな国です。

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アメリカ、ブラジルと2回乗り継いで、首都アスンシオンに着いたのは、
日本出発からなんと3日目でした。

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メインストリートのパルマ通りは、お土産屋さんがたくさん並んでいますが、
お客さんがほとんどいません……。

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中央市場に行ってみました。みんな一日中、テレレ(Tereré)を飲んでいます
冷たい水でいれるマテ茶のことです。
薬草をブレンドしていれる事も多く、健康ドリンクのような存在です。

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これを、友人同士で回し飲みします。
 
 
さっそく本屋さんを探してみると……。
一軒の本屋さんを見つけました。

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売っているのは宗教関係の本や教科書などが多いようです。
聞いてみるとパラグアイは、小さい国なので、独自の出版文化がないのだそうです

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日本の本は、マンガ「NARUTO」がずらりと揃っています。
もちろんスペイン語です。

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デパートに行ったら、にぎわっている本屋さんがありました!
イベント会場で、靴屋さんや洋服さんと一緒に、週末だけ販売しているそうです。
本は、すべてアルゼンチンからの輸入品だそうです
 
 
先住民であるマカ族の集落では、本は読まれているのか……

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居住区を訪ねてみました。
観光客も入る事ができます。

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女の子はバレーボール。男の子はサッカーをやっています。

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歓迎のダンスを踊ってくれました。

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酋長に聞いてみると……、「本は読まない」そうです
物語は、すべて口伝。彼らの心の中にあるそうです。

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ここで販売するアクセサリーが唯一の収入源だそうです。

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僕も、少しだけ真似してみました。
 
 
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バスに乗って、郊外へ向かいました。

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ド派手なバスが、ドアを開けながら走ります。

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やってきたのは、アスンシオンから約100キロ離れたカラガタウという町。

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ここで別の取材を済ませ、本屋さんを探してみると……。
やはり、一軒もありませんでした。

しかし、驚いた事に、コピーサービスが発達しているので、
1時間も待っていれば、どんな本でも複製してリング製本してくれます。
不思議なコピー本ビジネスが成り立っているのです。

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パラグアイからの帰りに、アメリカの空港で見つけたのは、
なんとiPadの自動販売機でした。

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最近、本の自動販売機は見かけますが
まさかこんなものまで売っているとは、おそるべし。

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そういえば、アメリカの飛行機の中ではみんなiPadを持っていたのが印象的でした。
パラグアイには、紙の本しかなかったのに……

南米と北米のギャップに驚いた世界の果ての本屋さん巡りでした。

[世界の果ての本屋さん:第13回 了]
(次回は、「アフリカ・モロッコ編」です!)
 
 
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〈パラグアイについて〉

スクリーンショット(2014-04-22 16.08.59)
正式国名:パラグアイ共和国
面積:40万6,752平方キロメートル(日本の約1.1倍)
人口:669万人(2012年、世銀)
首都:アスンシオン(人口約51万人)
民族:混血(白人と先住民)95%、先住民2%、欧州系2%、その他1%
言語:スペイン語、グアラニー語(ともに公用語)
宗教:主にカトリック(信教の自由は憲法で保障)
通貨:グアラニー(1米ドル=4,289グアラニー/2013年2月)
在留邦人:移住者・日系人 約7,000人
在日パラグアイ人数:2,098名(2011年)
日本からのアクセス:北米ではニューヨーク、ダラス、マイアミ、欧州ではミラノ、ミュンヘン、ローマなどを経由し、さらにサン・パウロやブエノス・アイレスなど南米の主要都市で乗り継ぎ(直行便なし)。所要時間は経由地での乗り継ぎ込みで26~35時間。
外務省:パラグアイ基礎データのページ地球の歩き方より]


PROFILEプロフィール (50音順)

ナカムラクニオ(なかむら・くにお)

1971年東京生まれ。荻窪にあるブックカフェ「6次元」店主。フリーランスで美術や旅番組などのディレクターとして番組制作に携わり、これまでに訪れた国は40ヶ国以上。趣味は世界の本屋とカフェ巡り、うつわの金継ぎ。+DESIGNING「デザインガール図鑑」、朝日小学生新聞「世界の本屋さん」mille「世界の古道具屋」連載。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方~都市型茶室「6次元」の発想とは』(阪急コミュニケーションズ)がある。


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『さんぽで感じる村上春樹』

著者: ナカムラ クニオ(6次元), 道前 宏子(6次元)
単行本(ソフトカバー)、128ページ
出版社: ダイヤモンド社
発売日: 2014/4/25