第22回「パリの古本屋さん巡り(後編)」
★前編はこちら。
パリの古本屋さん巡りは、ゴールがない迷宮に迷い込んだようなものです。
お肉屋さんは、豚の頭をまるごと飾っていて、なんか沖縄みたい。
気になったのは、市場のまわりに停まっているトラック。
しかも、落書きというより、
誰かに頼んで、意図的に描いているようです。
車をデコレーションする文化は、世界中にありますが、
トラックのコンテナ部分を、キャンバスに見立てているのは、
なんともパリ的です。
日本でアニメやゲームのキャラクターをボディに装飾した車は
「痛車」と呼ばれますが、これもその一種かも。
モバイルギャラリーとして、もっと追求してみたら
おもしろいかもしれません。
LA RUBRIQUE A BULLESは、フランスのマンガ「バンド・デシネ(bande dessinée)」専門店。
略称はB.D.(ベデ)。
「描かれた帯(bande dessinée)」は「続き漫画」という意味。
でも実は、フランスでは、アメコミや日本のマンガも全部ひっくるめて「B.D.」と
呼んでいます。
バンド・デシネの巨匠と言えば、メビウス。
大友克洋さんや松本大洋さんなどの漫画家が影響を公言しているし、
宮崎駿監督も、かなりヒントをもらっていますね。
フランスでは、プレゼントとして買われることも多く、豪華本ばかり。
アートとしても価値が高いのが特徴。
エンキ・ビラルなども有名ですが、読むアートと言った方が正しい感じです。
さて、パリ大学の学生御用達の書店、ジベール・ジュンヌに立ち寄ったあとは……。
ケラー通り(rue Keller)は、200メートルほどしかないのに、
日本好きなオタクショプがずらり。
MANGA Streetの入口にあるので、興味ある方は覗いてみてください。
(ちょっと入るのが怖いですが……)
コンビニというかキオスクみたいな存在。
雑誌、軽食が売られています。
続いて……、なんか日本語が読めますね。
そう。ATTICAという書店は「ことばのしょてん」。
他にも沢山、古本屋さんを巡りました。
1冊2ユーロ、3冊5ユーロという売り方もよく見かけます。
パリのブックオフなどもそうでした。
そういえば、フランス国内には本屋さんが、3500店以上あって、イギリスの3.5倍なんだとか。
夜はオルセー美術館へ。
最終日。
結局、1週間で50軒ほどを訪ねたパリの古本屋さん巡り。
「本棚や店の佇まいを読む」という楽しみもあることを、つくづく実感しました。
そういえば、最近、フランスの議会で「反アマゾン法」が可決され、オンライン書店の無料配送禁止になったとか。
さすがフランスは「本屋愛」がすごい!
[世界の果ての本屋さん:第22回 了]
(次回の世界の果ての本屋さんは「南米ボリビア編」です!)
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〈パリ市について〉
国:フランス共和国(French Republic)
地域圏:イル=ド=フランス地域圏(地域圏首府)
市長:アンヌ・イダルゴ(初の女性パリ市長、任期は2014〜2020年)
面積:(市)105.40km²、(都市圏)17,174km²
人口:(市)2,249,975人、(都市圏)12,292,895人(2011年1月)
人口密度 21,347人/km²
標語:“Fluctuat nec mergitur (Il tangue mais ne coule pas)”(「たゆたえど沈まず」)
日本からのアクセス:羽田空港からシャルル・ド・ゴール空港(パリ)への直行便で約12時間
[Wikipedia・トラベルノートより]
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