COLUMN

まちづクリエイティブ 寺井元一×西本千尋×小田雄太 アソシエーションデザイン つづく世界のつくり方

まちづクリエイティブ 寺井元一×西本千尋×小田雄太 アソシエーションデザイン つづく世界のつくり方
第4回「次の『始まり』のために ――名付け・改装可能な物件の借り上げ・転貸」

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第4回 「次の『始まり』のために ――名付け・改装可能な物件の借り上げ・転貸」

 こんにちは、まちづクリエイティブがお送りする、アソシエーションデザイン第4回です。いよいよ今回からは、回ごとにテーマを設定し、まちづ社が手がけているMAD Cityの話をベースにアソシエーションデザインに関して具体的な事例とともにお話していきます。

 初回である今回はMAD Cityの「始まり」を持ち運んだ代表の寺井にフォーカスを当てながら、アソシエーションデザインに関して次のテーマより概観してみたいと思います。

テーマ:
次の「始まり」のために
――名付け・改装可能な物件の借り上げ・転貸

 MAD Cityはまちづ社の代表である寺井元一(以下、寺井)によって名付けられた地区の名です。公式な地図にその名はありませんが、現在、当地区ではこの4年間で150人を超える新しいクリエイティブ層(アーティスト、デザイナー、建築家、職人、作家、起業家など)が集まり、住居やアトリエ、工房を構え、活動しています。

▼MAD Cityの「始まり」

 まちづ社の代表の寺井は渋谷でマイナーなアスリート、アーティスト支援のNPO(KOMPOSITION)を経営してきました。その経験をベースにもっと根本の価値観とか常識をひっくり返すような、自由な空間づくりと包摂的なまちづくりをしようとご縁あった(出身地ではない)千葉県の松戸市に4年前にやってきました。そして、松戸駅を基点に半径500メートルにクルっと円を描いてMAD Cityと名付け、その圏内の空いており、かつ、改装可能な物件丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶を1つ1つオーナーより借りあげて、クリエイティブ層に貸し出す(転貸)ということを始め、現在、取扱物件数が57件、内訳は居住用が35件、アトリエや工房が13件、その他オフィスや店舗が9件となりました。

▼次の「始まり」のつくりかた

 こうした寺井の「名付け・改装可能な物件の借り上げ・転貸」のまちづくりのやり方は、MAD Cityに常に新たな「始まり」をつくっています。「自発的で自由な活動が出来る場所を探し出して、他者へ渡す」。この一見、極めてシンプルな手法は、寺井のベースにある他者の創造性、クリエイティビティへのねっこからのリスペクトから発したものであり、MAD Cityに多様性を持ち運ぶ根本であると同時に、ビジネスモデルになっています。

 以下は、寺井のまちづ社4周年のコラムとなります。どうか次回もお楽しみに。

まちづクリエイティブ4周年に際して
代表 寺井元一
 
 
「まちづくり」は集客だ話題作りだとイベントをやっているようにも見えるし、地元を名乗る方々の趣味と暇潰しの総体だったりもしそうだし、補助金がジャブジャブと流れこんでいる場合もあるし、ものすごく多くの人々が延々と会議をし続けているだけのこともあるし、市役所や大手企業が取り組んでいる大仰な活動だったりすることもある。それらが混じりあっている。
 
 今までこの日本で、どういう「まち」が望ましいかは、決まっていた。東京。東京になるため、近づくために、全ての市町村が努力したり、あるいは反動でアンチを決め込んできた。もうそんな時代じゃない、この記事を読んでいるアナタはそう思っていると、僕は信じる。どんな「まち」が欲しいか、どんな「まち」に居たいかは個々人の問題だ。自由だ。無数の「まち」の形があるべきだ。
 
 欲しい服や料理や家は、買えばいい。無ければ作るのだ。同じように、欲しい「まち」が無ければ、作るしかない。それが私たちの「まちづくり」だ。服や料理や家でそうするように、私たち一人一人が、自分の納得できる「まち」で生きていきたいと思っているのではないか。でも、何が一体どう「まち」を「つくる」かは、どうにも難しい。そんな資格がある人間は、偉い政治家か歴史上の人物しか居ないような気もしてしまう。
 
「まち」を考えることは、社会を、世界を考え、歴史を考えることでもある。諦めることではない。そして日々の、ごく日常的な生活の1ミリ1ミリを考えることでもある。頭でっかちでもない。まちづクリエイティブは、その議論と実践を本気でやってきたし、これからもやっていきたいと思います。

[アソシエーションデザイン つづく世界のつくり方:第4回 了]
執筆:アップルパイペロリ

MAD City4周年トークセッション『DIYsによるまちづくり』第一部/第二部
★第二部にはDOTPLACE編集部も出演して、この連載「アソシエーションデザイン」の公開編集会議を行う予定です。ぜひご参加ください!
開催日:9月6日(土) 第一部:15:00~17:30(開場14:45)、第二部:19:30~22:00(開場19:15)
出演:第一部:禿真哉(トラフ建築設計事務所)、ナカムラケンタ(日本仕事百貨)、堤英幸(バイチャリ)、森純平(建築家)、寺井元一 第二部:小野裕之(greenz.jp)、後藤知佳(dotplace.jp)、寺井元一、西本千尋、小田雄太
参加費:第一部:1,500円(1ドリンク付) 第二部:2,500円(フード付)
会場:FANCLUB
アクセス:千葉県松戸市本町20-10 ルシーナビル7F(JR常磐線/新京成線松戸駅から徒歩2分)
主催:株式会社まちづクリエイティブ
お問い合わせ:TEL:047-710-5861 MAIL:info(a)machizu-creative.com
★詳しくはこちらへ。


PROFILEプロフィール (50音順)

まちづクリエイティブ(まちづくりえいてぃぶ)

松戸を拠点としたMAD Cityプロジェクト(転貸不動産をベースとしたまちづくり)の他、コミュニティ支援事業、DIYリノベーション事業を展開するまちづくり会社。 http://www.machizu-creative.com/ https://madcity.jp/

寺井元一(てらい・もとかず)

株式会社まちづクリエイティブ代表取締役、アソシエーションデザインディレクター。早稲田大学卒。NPO法人KOMPOSITIONを起業し、アートやスポーツの支援事業を公共空間で実現。まちづクリエイティブ起業後はMAD Cityを立ち上げ、地方での魅力あるエリアの創出に挑んでいる。

小田雄太(おだ・ゆうた)

デザイナー/アートディレクター。COMPOUND inc.代表/まちづクリエイティブ取締役。多摩美術大学非常勤講師。 ’04年多摩美術大学GD科卒業後にアートユニット明和電機 宣伝部、その後デザイン会社数社を経て’11年COMPOUNDinc.設立。’13年に(株)まちづクリエイティブ取締役に就任、MADcityプロジェクトを始めとしたエリアブランディングに携わる。最近の主な仕事として「NewsPicks」UI/CI開発、diskunion「DIVE INTO MUSIC」、COMME des GARÇONS「noir kei ninomiya」デザインワーク、「BIBLIOPHILIC」ブランディング、「100BANCH」VI・サイン計画など。

西本千尋(にしもと・ちひろ)

株式会社まちづクリエイティブ取締役、ストラテジスト。 埼玉大学経済学部、京都大学公共政策大学院卒業。公共政策修士(専門職)。株式会社ジャパンエリアマネジメント代表取締役。公共空間の利活用、古民家特区などの制度づくりに携わる。