COLUMN

ナカムラクニオ 世界の果ての本屋さん

ナカムラクニオ 世界の果ての本屋さん
第5回「台湾/台北編」

世界の果ての本屋さんバナー

第5回「台湾/台北編」

台湾は、世界の果てじゃないだろ……と言われるかもしれませんが、
ブックシーンがすごいことになっているので、ぜひ紹介したいと思います。
本にまつわる環境が、世界最高レベルに達しているような気がするので、
ある意味で『世界の果ての本屋さん』なのではないでしょうか?

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2013年にできたばかりの「誠品書店 松菸店」を訪ねてみました。

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誠品書店は、小さな本屋さんから始まり、台湾全土に50店舗を展開するまでに成長。
ついには香港にも進出したそうです。
タバコ工場の跡地をリノベーションした古い建物もあり、
なんとも不思議な魅力のある場所になっています。
建築家の伊東豊雄さんが手掛けているらしいです。
優雅な曲線とカラフルな色彩が目立ちます。

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建物の中も日本人好みの超おしゃれな作り。
本屋さんがこんなビルを建ててしまうなんて。
台湾のオリジナルブランドやカフェなどが入っています。
その質の高さには驚きます……。

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代官山蔦屋の元ネタと呼ばれる店内
まさに、知のテーマパーク……。
台湾の新しい社会の流行と文化のシンボル。
トークやカルチャー講座、記者会見など、
イベントをたくさん開催しているのが成功の秘密らしいです。

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ハイレベルな台湾茶が、楽しめるのも、
他の誠品書店とは少し違います。

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赤木明登さんのとんぼの本『能登ごはん便り』台湾版を見つけました。
こちらでも人気が高いようです。

一番中央の目立つところに平詰みで並んでいるのは、
なんとエクスナレッジの『世界の夢の本屋さん』シリーズ。

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装丁が日本版とは違うのが面白いですね。
横には、『世界の夢の本屋さん』の巨大パネルもありました。

さらに、面白い本屋さんを探していると……
不思議な機械を見つけました。

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台北の松山駅の中にあるのが……この自動販売機のような装置。

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なんと、自動借本マシーンでした。
台北市内の駅や図書館前などにあり、
「Fast book 24小時借書站」という名前。

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全自動図書館が、台湾ですでに実現しているとは、驚きです!
夢の自動借本マシーン、日本にも導入されないかな。

さらに、松山空港にある本棚も素敵なデザイン。

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りんごの実がなっていたり。
子どもの本も充実しています。

さらに、すごいものを発見しました!
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全自動雑誌閲覧マシーン」。
タッチパネルで、好きな雑誌を立ち読み可能。

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こ、これは便利。しかも、案外読みやすい……。
やはり台湾のブックシーンは、一度では紹介しきれません。

次はさらにディープな本屋さんを探して、台中を紹介したいと思います。

これからの本屋さんは「情報」だけを売ろうとしては、いけない。
『情報との出合い』を、売らなければならない
。そんなことを感じました。

[世界の果ての本屋さん:第5回 了]
(次回は、「台湾/台中編」です!)

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◉台湾(中華民国)について

スクリーンショット(2013-12-17 13.08.49)
首都:台北(Taipei)
面積:約3万6000平方キロメートル(九州の約6/7)
人口:23,328,602人 (2013年2月 内政部発表)
公用語:中国語(華語、マンダリン)
※台湾語(ホーロー語)、客家語、各先住民族の言語なども使用される
日本からのアクセス:東京より約3時間30分、沖縄より約1時間
※定期便就航地以外の地方空港からもチャーター便が活発に運航
宗教:仏教、道教、キリスト教ほか
台湾観光協会 – 基本情報のページより]


PROFILEプロフィール (50音順)

ナカムラクニオ(なかむら・くにお)

1971年東京生まれ。荻窪にあるブックカフェ「6次元」店主。フリーランスで美術や旅番組などのディレクターとして番組制作に携わり、これまでに訪れた国は40ヶ国以上。趣味は世界の本屋とカフェ巡り、うつわの金継ぎ。+DESIGNING「デザインガール図鑑」、朝日小学生新聞「世界の本屋さん」mille「世界の古道具屋」連載。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方~都市型茶室「6次元」の発想とは』(阪急コミュニケーションズ)がある。