COLUMN

ナカムラクニオ 世界の果ての本屋さん

ナカムラクニオ 世界の果ての本屋さん
第4回「ロシア・サハリン編」

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第4回「ロシア・サハリン編」

サハリン1
サハリン(樺太)は、北海道の北にある細長い島。
札幌から飛行機で1時間半で着きます。

サハリン2
州都ユジノサハリンスクの市内は、日本統治時代の建物も多く、北海道に似た感じ。
ロシア正教会がとても美しいです。

サハリン3
こちらは、ブリヌイと呼ばれるおやつのクレープ。
なぜか、イクラがたくさんトッピングされています。
ちなみに「イクラ」は、ロシア語。卵という意味です。
 
 
サハリン4
市場に行くと、見たことのない犬が売っていました。
今年、流行している種類だそうです。
値段はなんと10万円!

本は、どこで買えますか……
と聞いてみると。

サハリン5
「これ買わない?」
ロシア版「最新流行犬カレンダー」を薦められました。
一瞬、迷ったけれど、微妙なデザインだったので買いませんでした。

サハリン6
感動したのは、カニ
サハリンでは、お肉に比べて人気がないので安いのです。
北海道と同じ品質のカニが食べ放題。

なぜか雑貨屋さんのおばさんが、丸ごとタダでくれたこともありました。
サハリンには、2回行って合計2週間ほど滞在したのですが、
ほとんどカニばかり食べていました。

そして、本屋さんを探していると……
ユジノサハリンスク市内でようやく看板を発見!

サハリン7
しかし、お休みで、中に入れませんでした。

街角の売店には、文房具や雑誌や新聞が少しだけ置いてあります。
カラフルでかわいい建物が多いです。

サハリン8
案内してくれたウラジーミルさんに「本屋さんに行きたい」と言うと、
衝撃の一言が……。

紙の本を買うんですか?
僕は、もう昨年から電子書籍ですよ!


ロシアはソ連時代から読書好きの国民が多く、
インターネットの普及により、この1~2年で急激に電子書籍が普及しました

端末の値段もどんどん安くなっているそうです。
(コンテンツは海賊版が多いそうですが……)
冬の長いサハリンでは、雪の中、本屋さんに行くのは、大変なのだそうです。

しかも、世界初の「曲がる電子書籍」がすごい。

サハリン9
こちらが「Flex ONE」。
詳しくは動画を見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=Nq12ot9ttYY

どうやらロシア国内だけで、販売されているようです。
値段は、2万円ほど。これ欲しい……。

しかし、どうしてもサハリンの本棚が見たい!
サハリンの西海岸にある、シャフチョルスクという町のお宅で、
本棚の写真を撮らせてもらいました。
ソ連時代の建物は、セントラルヒーティングが完備されていて、
冬も暖房が、がんがん効いて快適だそうです。

サハリン10

サハリン11
サハリンでは、紅茶とジャムが同時に出てきます。
一緒に口に入れるとなんとも言えない優しい甘さが広がります。

そしてこちらが、ついに出会ったサハリンの本棚。

サハリン13
小説や地元の歴史の本がほとんどです。
懐かしいラジカセがあって、ホッとしました。

ウラジオストックの大学に通うお孫さんが、ちょうど帰省中だったので聞いてみると、
やはり「本は、電子書籍で読んでいる」とのこと。
サムソンのタブレットを使っているそうです。

サハリン12
ロシアでは、メドヴェージェフ大統領が、
教育現場への電子書籍導入を積極的に行ったため
急激に発展したらしいです。

恐るべし、ロシアのブックシーン

アメリカと並び電子化が進んでいるこれらの国の本の未来……、
どうなっていくのでしょうか。気になります。

[世界の果ての本屋さん:第4回 了]
(次回は、世界最先端のすごい本屋さんがある「台湾編」です!)
 
 
【サハリンについて】
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正式名:サハリン州(Сахалинская область, Sakhalinskaja oblastȉ)
※ロシア連邦の州で、連邦構成主体のひとつ。
州都:ユジノサハリンスク(Южно-Сахалинск, Yuzhno-Sakhalinsk)
面積:8.71万平方キロメートル
人口:54万6695人(2002年)
公用語:ロシア語
日本からのアクセス:札幌-ユジノサハリンスク間の定期航空路で1時間20分ほど。
他にも稚内-コルサコフ間のフェリー(冬季を除く)など。
在ユジノサハリンスク日本国総領事館「サハリン概況」のページWikipedia: サハリン州より]


PROFILEプロフィール (50音順)

ナカムラクニオ(なかむら・くにお)

1971年東京生まれ。荻窪にあるブックカフェ「6次元」店主。フリーランスで美術や旅番組などのディレクターとして番組制作に携わり、これまでに訪れた国は40ヶ国以上。趣味は世界の本屋とカフェ巡り、うつわの金継ぎ。+DESIGNING「デザインガール図鑑」、朝日小学生新聞「世界の本屋さん」mille「世界の古道具屋」連載。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方~都市型茶室「6次元」の発想とは』(阪急コミュニケーションズ)がある。