第3回「新品なのに『古い』本」
とある書店で、今取り組んでいるプロジェクトの資料になる本を探していた時のことだ。棚を眺めながら、気になる本があると抜き取りパラパラと眺める。こういったことを繰り返していくと、次第に今の自分に必要な知識の全体像が見えてくる。
「何を知るべきか」というのが見えてきたところで、資料として有用そうに思えた本をいくつか手に取り、表紙を見た瞬間、私はあることに気がついた。
私は左右の手にそれぞれ1冊ずつ本を持っていたのだが、明らかに右手で持っている本の方が「古い」と直感で分かったのだ。念のため奥付で発行日を確認すると、確かに左手に持っているのは最近出版された本で、右手で持っている本は10年以上前に出版された(しかし、最近刷られた)本だった。
もちろん、どちらの本にも汚れや折れ、紙の黄ばみは全く無いし「最近印刷された」ということに関しては条件は変わらない。どこからどう見ても、正真正銘「新品」の本だ。
しかし、見て比較すると明らかにどちらが古いか分かるのだ。
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