COLUMN

菅俊一 まなざし

菅俊一 まなざし
第3回「新品なのに『古い』本」

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第3回「新品なのに『古い』本」

とある書店で、今取り組んでいるプロジェクトの資料になる本を探していた時のことだ。棚を眺めながら、気になる本があると抜き取りパラパラと眺める。こういったことを繰り返していくと、次第に今の自分に必要な知識の全体像が見えてくる。

「何を知るべきか」というのが見えてきたところで、資料として有用そうに思えた本をいくつか手に取り、表紙を見た瞬間、私はあることに気がついた。

私は左右の手にそれぞれ1冊ずつ本を持っていたのだが、明らかに右手で持っている本の方が「古い」と直感で分かったのだ。念のため奥付で発行日を確認すると、確かに左手に持っているのは最近出版された本で、右手で持っている本は10年以上前に出版された(しかし、最近刷られた)本だった。

もちろん、どちらの本にも汚れや折れ、紙の黄ばみは全く無いし「最近印刷された」ということに関しては条件は変わらない。どこからどう見ても、正真正銘「新品」の本だ。

しかし、見て比較すると明らかにどちらが古いか分かるのだ。

★この続きは、DOTPLACEの書籍レーベル「DOTPLACE LABEL」から発売された
電子版『まなざし』からお読み頂けます。

 

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PROFILEプロフィール (50音順)

菅俊一(すげ・しゅんいち)

研究者/映像作家。多摩美術大学美術学部統合デザイン学科専任講師。 1980年東京都生まれ。人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、さまざまなメディアを用いて社会に提案することを活動の主軸としている。主な仕事に、NHKEテレ「2355/0655」ID映像、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」コンセプトリサーチ、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展示ディレクター。著書に『差分』(共著・美術出版社、2009年)、『まなざし』(電子書籍・ボイジャー、2014年)、『ヘンテコノミクス』(共著・マガジンハウス、2017年)。主な受賞にD&AD Yellow Pencil など。 http://syunichisuge.com/