COLUMN

菅俊一 まなざし

菅俊一 まなざし
第10回「読書感想文の恐怖」

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第10回 読書感想文の恐怖

この春の時期になると「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書が発表される。そのため、書店に行くと児童書コーナー(大抵端の方にある)だけでなく、特設コーナーが用意され、目立つように並べられている。

毎年その様子を見る度に、自分の小学生の時のことを思い出して、少し心が痛む。

今でこそ、この連載のように文章を書くということを、1つの表現手段として用いるようになっているが、私は本当に、読書感想文が苦手というか大嫌いな子供だった。

読書感想文というのは大抵、夏休みなどの長期休暇の前に宿題として「この本を読んで、あなたが思ったこと感じたこと気づいたことを書きなさい」という課題が担任の先生から与えられる。

感想文を書かせる意図について、大人になった私なりの推測で考えてみると、「人の書いた文章を読んで意味を理解する(=読書)」と「自分の考えを言葉として表現する(=作文)」という二つの、言葉を扱うために必要な力を鍛える格好の課題として、使用されてきたように思える。

ところが、実際に「青少年読書感想文コンクール」のwebサイトを見るとこのように書いてある。

★この続きは、DOTPLACEの書籍レーベル「DOTPLACE LABEL」から発売された
電子版『まなざし』からお読み頂けます。

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PROFILEプロフィール (50音順)

菅俊一(すげ・しゅんいち)

研究者/映像作家。多摩美術大学美術学部統合デザイン学科専任講師。 1980年東京都生まれ。人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、さまざまなメディアを用いて社会に提案することを活動の主軸としている。主な仕事に、NHKEテレ「2355/0655」ID映像、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」コンセプトリサーチ、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展示ディレクター。著書に『差分』(共著・美術出版社、2009年)、『まなざし』(電子書籍・ボイジャー、2014年)、『ヘンテコノミクス』(共著・マガジンハウス、2017年)。主な受賞にD&AD Yellow Pencil など。 http://syunichisuge.com/


PRODUCT関連商品

『差分』

佐藤 雅彦 (著), 菅 俊一 (著), 石川 将也 (著)
単行本: 210ページ
出版社: 美術出版社
発売日: 2009/3/31