第10回 読書感想文の恐怖
この春の時期になると「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書が発表される。そのため、書店に行くと児童書コーナー(大抵端の方にある)だけでなく、特設コーナーが用意され、目立つように並べられている。
毎年その様子を見る度に、自分の小学生の時のことを思い出して、少し心が痛む。
今でこそ、この連載のように文章を書くということを、1つの表現手段として用いるようになっているが、私は本当に、読書感想文が苦手というか大嫌いな子供だった。
読書感想文というのは大抵、夏休みなどの長期休暇の前に宿題として「この本を読んで、あなたが思ったこと感じたこと気づいたことを書きなさい」という課題が担任の先生から与えられる。
感想文を書かせる意図について、大人になった私なりの推測で考えてみると、「人の書いた文章を読んで意味を理解する(=読書)」と「自分の考えを言葉として表現する(=作文)」という二つの、言葉を扱うために必要な力を鍛える格好の課題として、使用されてきたように思える。
ところが、実際に「青少年読書感想文コンクール」のwebサイトを見るとこのように書いてある。
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