INTERVIEW

セルフパブリッシングで注目の、あの作家に聞く

セルフパブリッシングで注目の、あの作家に聞く
『セカ就!』森山たつをさん

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セルフパブリッシングの現在に迫るべく、Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングなどで注目の作家にメールインタビューしていくシリーズ。セカンドシーズンの第6回目は、KDPを地盤にしながら、2013年7月に『セカ就! 世界で就職するという選択肢』を朝日出版社より出版されたセルフパブリッシング作家、森山たつを(もりやま・たつを)さんです。

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作品紹介

+sekashu_cover+obi+H1_FIN+sekashu_gaidencover01 『セカ就!』『セカ就!外伝 親子で世界就職』は、
Amazon Kindleで立ち読みできます。

海外で働いている若者たちのリアルな姿を伝える、就活ノベル、セカ就!
日本での職業も、渡航国も、動機も、年齢も違う男女6人の海外就職の姿を小説にしました。
アジアの活気も理不尽もめいっぱい詰め込んだ本作。
海外で働く人100人以上から聞いた話のエッセンスを詰め込んだため、
当事者からは「リアルすぎて自分の事にしか見えない」との感想も。
本編(紙と電子の同時発売)と外伝(電子書籍書き下ろし)2作を刊行中。

著者プロフィール

s-正方形2電子書籍個人出版研究家、海外就職研究家。
若者に「活躍できる場所」を伝えるために、世界を転々としながら情報発信中。
紙の著書4冊。
ビジネスクラスで世界一周したときの旅行記『ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行』を電子書籍化したところ、累計1万冊以上の大ヒット。
気をよくして、電子書籍も続々刊行中。
現在、Philippinesセブ島在住。

メールインタビュー

Q01・性別やご年齢、お住まいの場所、ご所属やご職業とそこで何をされているかなど、お話いただける範囲で構いませんので、森山たつをさんについてお教えください。

森山たつを 男性 37歳 フィリピンセブ在住。
職業:海外就職研究家、電子書籍個人出版研究家
フィリピンに居住し、東京やアジア各国を回りながら、若者が活躍できる場を取材したり、各種ツアーや研修などの企画、運営が主な仕事です。同時に、書籍(紙も電子も)の執筆をしています。
ただし、心はいつも「無職」です。

Q02・そんな森山たつをさんが、なぜ『セカ就!』を執筆されるに至ったのか、その経緯や動機をお教えください。

2008-9年に会社を辞めてビジネスクラスで世界一周をしていました。この時に世界中から2日に1回以上のペースでblogを更新しており、膨大なコンテンツが溜まっており、当時アメリカではじまったKDPをうらやましいなあと思っていました。
そして、2012年にようやく日本で開始したのと同時に刊行をスタートし、黎明期の先行者利益もあり、1万冊以上売りました。そのノウハウをまとめた『1万冊売ってわかった!電子書籍を売る方法』も2500冊以上売れています。

このような、電子書籍個人出版と平行して、出版社による紙の本の執筆も行っています。その最新刊が『セカ就!』。海外で働く若者たちのリアルなドラマを小説にしました。
私の読者には海外在住の方も多いので、この本は出版社に頼んで、紙と電子同時発売にしてもらいました。しかも、最初の1週間だけ、電子書籍は200円割引セールを行ってもらっています。
この施策はあたり、最初の1週間で非常に多くの方に読んでもらうことができ、100件以上の感想をもらっています。

本編の執筆中から、スピンアウトを考えており、1冊電子書籍を発行することを出版社と握っておりました。本編は6章構成なのですが、その第2章の主人公の親友になる女の子を主役にした原稿を本編刊行と同時に執筆開始。1.5ヶ月後に出版しました。(フィリピン引っ越しが絡んで時間が空いてしまいましたが、もう少しはやく出したかった…)
出版社のご厚意もあり、紙の本と同じ漫画家、デザイナーの方に表紙を作成して頂き、250円の電子書籍とは思えないクオリティに仕上がっています。
本編を読んで気に入った人が外伝を買う、本編が高いから買わなかった人が外伝を買う、外伝で試し読みした人が本編を買うといった、相乗効果がそれなりに生まれたと思います。

Q03・『セカ就!』の執筆には、どのくらいの期間と時間がかかっていますか。

本編は約3ヶ月。
編集者二人に原稿直されまくりながら、泣きながら書いてました。
外伝は約2週間。
フィリピンへの引っ越しの準備をしながら、泣きながら書いてました。
こちらは、編集は全く入ってません。

Q04・『セカ就!』の執筆は、一日のうちのどのような時間に、どのような環境で行われましたか。

「目が覚めたときが朝」なので、起きて、気が向いたときに書いてました。
実に適当です。

Q05・『セカ就!』を執筆・出版するにあたって、参考にされた本やサイトなどがありましたらお教えください。

前代未聞の本なので、参考にした本はありません。
強いて言えば、自分が書いた『アジア転職読本』をデータ集として使いました。
また、テンポ良くストーリーが進んで行く構成は、ホリエモンの小説『拝金』を参考にしました。

Q06・森山たつをさんが、作家として影響を受けていると感じる作家や作品がありましたら、お教えください。

ないです!

Q07・森山たつをさんが、最近注目されているものやことをお教えください。

カンボジアが、経済の活況とか、住んでいる人の面白さが最高なので、私自身もいろいろ仕掛けていく予定です。その様子を紙や電子で出版していけたらと思います。

Q08・当サイトでは「これからの編集者」という連載を通じて、セルフパブリッシング時代の編集者の役割についても考えています。もし、作家としての森山たつをさんのことを新たにサポートしたいという編集者が現れたとしたら、その人に期待したい役割は何ですか。

校正と、営業。
私がアプローチできていない層に宣伝して欲しいです。

Q09・『セカ就!』は、既に紙の本として書店に並んでいますが、特にこの本の隣に並べて欲しいというような本を、3冊挙げてください。

『未来の働き方を考えよう』ちきりん
『ワークシフト』リンダ・グラットン
『進撃の巨人』諫山創

進撃の巨人は、なにげに日本の閉塞感をテーマにしていると思うので、親和性があると思っています。ただ、海外には巨人とかいないので、全然安全ですが。

Q10・最後に、このインタビューの読者の方に、メッセージをお願い致します。

電子書籍を作るのは簡単だ!ということは、皆さん理解してきたと思います。
でも、世の中には、電子書籍に触ったこともない人もたくさんいます。
是非、一人でも多くの人のiPhoneにKindleアプリをインストールするよう、友達に啓蒙してください!

(了)

 

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