INTERVIEW

セルフパブリッシングで注目の、あの作家に聞く

セルフパブリッシングで注目の、あの作家に聞く
「落語り帳シリーズ」十千しゃなおさん

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セルフパブリッシングの現在に迫るべく、Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングなどで注目の作家にメールインタビューしていくシリーズ。今回は、古典落語のストーリーを下敷きにして女子高生の日常を描く「落語り帳シリーズ」の十千しゃなお(とーせん・しゃなお)さんです。

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作品紹介

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落語り帳シリーズ」は、Amazon Kindleで立ち読みできます。
★12/04(水)の夜から5日間「落語り帳シリーズ」全巻(※)の
無料キャンペーンを5日間行います。

もし未読の方がいましたら是非ともどうぞ。
※総集編である「落語り帳 春寄席」は無料にはなりませんのでお気をつけください。

舞台を現代の女子校に替え、落語の面白噺を(勝手に)今風にアレンジした短編集。
現在四作目まで出版中。
ちゃきちゃきの江戸っ子でがさつながらも、なんだかんだと面倒見のいい「寺田亜美」
天然で計算高く、明るくて馬鹿っぽくてウザい「橘楓」
面倒見のいい面倒臭がり女子高生・亜美は幼馴染みの楓に振り回されっぱなし。高校二年生のときにフランスからプリシラが転校してくるが楓に振り回されっぱなし。ちなみに落語り帳シリーズはオムニバス形式でどの巻を読んでなくてもほとんど意味が通じるが、だいたい楓に振り回されっぱなし。

「落語り帳」
饅頭も怖いが……〈饅頭怖い〉
赴亜味例巣(ファミレス)〈寿限無〉
三郎のラーメン〈目黒のさんま〉
やっぱり桶屋がナンバーワン!〈風が吹けば桶屋が儲かる〉

「落語り帳~二つ目~」
エイプリルフール〈新聞記事〉
ものは試し〈試し酒〉
音の宝石箱〈井戸の茶碗〉
会長の接吻〈開帳の雪隠〉
三女三人絵師〈三都三人絵師〉
意地と犬〈あたご山〉
花火〈長短〉
〇〇と煙は高い所が好き〈金の味〉

「落語り帳~真打ち~」
アサガオは咲かない〈朝顔〉
あの世は案外アレ〈朝友〉
センチメンタルジャーニー〈いびき駕籠屋〉
パンがなければ?

「落語り帳~ふぁぶりお!~」
いじわる〈やましぎ〉
どのカゼが好き?〈コンの裁き〉
亜美と猫との黒歴史〈アリストテレスの短詩〉
紫丁香花の咲く頃

著者プロフィール

tosenshanao
秋田に生まれただけの神奈川育ち。最寄りの駅は町田(東京)。
名前の由来は2003年生まれの競走馬トーセンシャナオー。主な勝ち鞍はセントライト記念。現在は功労馬としてゆっくりと余生を過ごしています。
ほぼ全ての作品の舞台(モデル)が相模原市という程度には地元愛に溢れているらしい。
 
 
公式サイト http://tosensya.jimdo.com/(仮)
ブログ http://ss.blog.jp/
Twitter https://twitter.com/tosensya

メールインタビュー

Q01・まずはじめに、性別やご年齢、お住まいの場所、ご職業など、お話しいただける範囲で構いませんので、自己紹介をお願いします。

11月10日に23歳になった男の子です。住所は神奈川県相模原市南区さ……え? ダメ? 住所ダメ? ……えーと学生です。成蹊大学に通ってます。学部は法学部政治学科で学籍番号はJ092ゼ……え? ダメ? 学籍番号も? 大丈夫ですって、バレないですって! ……ダメ? ダメ。と、ご覧の有様なゆとり世代です。

Q02・十千さんが、電子書籍でのセルフパブリッシングに着目するようになったきっかけは何でしたか。

きっかっけ……。何でしょうね? Kindleさんでセルフパブリッシングが始まったというニュースを聞いたときは、へー……そんなの始まるんだ程度のリアクションで。『自殺喫茶』という作品でセルフパブリッシングデビューしたときも、とりあえず出してみっかーぐらいの感じで。だから、そうですね。セルフパブリッシングに着目するようになったのは『落語り帳』の無料キャンペーンを行って、思ったより多くの方に読んでいただいたときからです。あ、思ったよりセルフパブリッシングって読んでくれる人いるんだ。って。そこで初めて。

Q03・十千さんが、「落語り帳シリーズ」を執筆されるに至った動機を教えてください。

動機……。インスタントコーヒーです! インスタントコーヒー! 別にカップ麺でもいいですけど。とにかく、そういう本格的ではないものです。
セルフパブリッシング、十千はKindleさんのくらいしか読んでないんですけど、結構本格派っていうんですか? 硬派っていうか……とにかく紙の本、それもハードカバーって感じの作品が多かったんです。十千がたまたまそういうのばかり引いていたのかもしれませんが。正直そういった作品て取っつきにくかったりしません? 自分はしました。ちょっと気合いを入れて読まないといけないっていうか。そういうセルフパブリッシングをいくつか読んだ結果がインスタントコーヒーです。チープで頭空っぽにして読めるのもアリじゃん? みたいな。どんな本があってもいいんじゃない的な。
あと、一番は若い人に興味を持って欲しかったので。落語。十千好きですから、落語。自分が好きなものに興味を持っていただけたら素晴らしいハッピーじゃないですか。

Q04・「落語り帳シリーズ」の最新作『落語り帳 ~ふぁぶりお!~』の取材・執筆には、どのくらいの期間と時間がかかっていますか。

「落語り帳シリーズ」の中では一番時間がかかっているかもしれません。『落語り帳 ~ふぁぶりお!~』はファブリオという西洋の滑稽話……とはちょっと違うんですが、とにかくそういったものが下地にある作品。なので、ファブリオについての本を色々探したのですが、思ったより日本語の本はありませんでした。仕方ないので大学一年生のときに買ったフランス語の辞書を片手に、頑張って横文字の本を読みました。多分二ヶ月くらい。執筆は二週間くらいです。ちなみにフランス語の単位は落としました。

Q05・「落語り帳シリーズ」の制作過程の中で、もっとも苦労した点はどのような点でしたか。

最も苦労した点、苦労している点は二つです。
一つは元ネタの面白さをどれだけ損ねないかということ。元ネタが落語なら面白いのが当たり前ですし。どれだけ元ネタの邪魔をしないでいられるか毎回悩みながらやってます。
もう一つはどっかから怒られないかなということ。パロディやオマージュといった言い方も出来ますが、限りなくやってることはパクりに近いですからね。もし「落語り帳シリーズ」がKindleストアから姿を消したらそういうことです。

Q06・「落語り帳シリーズ」の初期3作を一冊にまとめた『落語り帳 春寄席』の発売から今に至るまで、読者からの反応や、ご自身で感じている手応えなどがあれば教えてください。

まとめは一つの答えかなって思ってます。少なくとも「落語り帳シリーズ」はこれからもこの形で展開していくと思います。それくらいの手応えですね。三つ買うよりまとめを買った方が安いということもありますが、思ったより好評です。
バラで買ってくださった方にどれだけ損をさせないのかが今考えていることですね。せっかくバラで全部買ってやったのに安いまとめ版なんて出しやがって、って言われたら言い返せないですからね。なので、バラの方は無料キャンペーンなどを利用して上手くバランスを取りたいです。最初から、あとでまとめを出しますよって告知したり。

Q07・「落語り帳シリーズ」をセルフパブリッシングするにあたって、参考にされた本やサイトなどがあれば教えてください。

東大落語会さんの『落語事典』ですね。単純に収録されている噺の数でこれ以上の本はありません。千を優に超えてますからね。噺のあらすじを知りたいという方にはピッタリ。

Q08・十千さんが書き手として、影響を受けていると感じる作家や作品などがあれば、教えてください。

書き手として影響を受けている……よくわからないです自分では。好きな作家さんもいますが、自分の作品が影響を受けているって言ったら違うと思いますし、恐れ多いにもほどがあると思ってしまうので。
ただ、難しい言葉を使わない作家さんには憧れています。児童文学とか。

Q09・DOTPLACEでは「これからの編集者」という連載を通じて、セルフパブリッシング時代の編集者の役割についても考えています。もし、作家としての十千さんのことを新たにサポートしたいという編集者が現れたとしたら、その人に期待したい役割は何ですか。

読んでくれることですね。孤独になりがちな作業ですので。それと、対等にものを言い合えることです。つまないなら、つまんねーって言って欲しいですし。うるせー馬鹿! だったらアイデア出せや! って言い返したいですし。読者さんに言われるのとではまた別だと思うので。

Q10・「落語り帳シリーズ」が、今後、紙の本として書店に並ぶとして、この本の隣に並べて欲しいというような本を、3冊挙げてください。

3冊……うーん2冊なら。左から順に「落語り帳シリーズ」・秋山はるさんの『こたつやみかん』・雲田はるこさんの『昭和元禄落語心中』ですね。右に行くごとに落語成分が強まっていく感じ。どうしても3冊というのであれば久米田康治さんの『じょしらく』。どこに入れるかは任せます。

 

Q11・次回作の構想がありましたら、お話しいただける範囲で教えてください。

次回作って「落語り帳シリーズ」です? それとも別のでもオッケーです?
えーと「落語り帳シリーズ」に関しては狐特集でもやろうかなんて考えてます。もちろんインスタントコーヒーらしい気軽さで!
それと宣伝になってしまうのですが、十二月十六日前後に『じゃんけんしようよ』という長編を出させていただきます。たまにはちゃんとしたコーヒーも出してみたいですからね。青春系の長編になるのですが、以前こちらのインタビューにも登場していらっしゃった晴海まどかさんともコラボしているので、それなりに注目していただけるとありがたいです。詳しくは十千のサイト晴海まどかさんのサイトをクリック!

Q12・十千さんが注目していて、このコーナーで取り上げてほしい、ほかのセルフパブリッシングをされている作者がいらっしゃいましたら、教えてください。

アニウッド大通り』の記伊孝さんです。記伊さん魅力的な作品をもっと沢山の方に読んで欲しいので。あと、漫画家さんてまだでしたよね?インタビュー。

Q13・最後に、このインタビューの読者の方に、メッセージをお願いします。

えーと、十千はあまり文章が上手じゃないです。かなり稚拙な文章だと思います。『わたしと! あなたの? 声春ラジオ!?』なんて読んでみてください。地の文ほぼないですよ?
でも、そんな自分が作品を出し続けることで、文章が上手くなくても作品を作っていいんだって思ってくれる方が一人でも現れてくれたら嬉しいかなって思います。文章が下手だからって作品を作らないのはもったいないですから。十千は色んな人の色んな作品が読みたいので、書き手が増えるの大歓迎です。

(了)

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