セルフパブリッシングの現在に迫るべく、Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングなどで注目の作家にメールインタビューしていくシリーズ。更新再開後の第3回目は『リーディング・ナイフ』を出版されたセルフパブリッシング作家、山田 佳江(やまだ・よしえ)さんです。
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作品紹介
『リーディング・ナイフ』は、Amazon Kindleで立ち読みできます。
亮太との結婚を控えた由香は、荷物の整理中に古いノートパソコンを見つける。学生時代に使っていたそのパソコンから、自分宛にテストメールを送ると、九年前の自分からEメールが来た。『九月十一日のアメリカ同時多発テロ事件以降、もう十回も二〇〇一年を繰り返している』とそのメールには記されていた。
由香はそのメールを信じなかった。しかし、二〇一一年三月十一日、東日本大震災の翌日、彼女の時間は一年前に戻ってしまった。時間のループに入ってしまった人たちには共通点があった。全員が『KNIFE』というインディーズの音楽を聴いていたのだ。
公式サイト:http://readingknife.wordpress.com/
著者プロフィール
1974年生まれ。福岡県北九州市出身。
超文系サイトテキスポを経て、ブクログのパブー、ウッピー、DIGクリエイティブアワードなどに小説を掲載する。
無計画書房発起人。てきすとぽい制作チームメンバー。
主にTwitterにいます。
公式サイト:http://yo4eyamada.wordpress.com/
メールインタビュー
Q01・性別やご年齢、お住まいの場所、ご所属やご職業とそこで何をされているかなど、お話いただける範囲で構いませんので、山田佳江さんについてお教えください。
1974年生まれ。
よく男性に間違われますが女性です。
北九州市に住んでいます。
フリーランスの映像クリエイターをしています。
Q02・そんな山田佳江さんが、なぜ『リーディング・ナイフ』を執筆されるに至ったのか、その動機をお教えください。
20代の半ばごろ初めての小説を書いた時、
「私は小説を書くために生まれてきたのだ!」
と思い込んでしまいました。
そうしてそのまま10数年も小説を書き続けています。
Q03・『リーディング・ナイフ』の執筆には、どのくらいの期間と時間がかかっていますか。
アイデアメモの最初の日付が2011年9月5日、
「終わった!」とのメモが2012年3月27日でした。
原稿用紙275枚。だいたい時速5枚程度で執筆していたので、
55時間くらいかかっているはずです。
Q04・『リーディング・ナイフ』の執筆は、一日のうちのどのような時間に、どのような環境で行われましたか。
家族を送り出してから仕事を始めるまでの間に、
毎日1時間ずつ書き進めました。
OpenOfficeの縦書で執筆しテキスト形式でDropboxに保存します。
スキマ時間にiPod touchから読み直しと修正をしていました。
Q05・『リーディング・ナイフ』をセルフパブリッシングするにあたって、参考にされた本やサイトなどがありましたらお教えください。
『未来少女ミウ』を出版した時(2012年10月30日)には
情報も全くなかったのでKDPの公式を見ながら作りました。
右往左往しているところをたくさんの方にご指導いただいて、
現在はいいださんのEPUB作成ツールにお世話になっています。
Q06・山田佳江さんが作家として、影響を受けていると感じる作家や作品がありましたら、お教えください。
自分ではよく分かりませんが、
藤子・F・不二雄っぽいとか
フィリップ・K・ディックっぽいとか言われます。
Q07・山田佳江さんが、最近注目されているものやことをお教えください。
『きんぷれ!』さんのような電子書籍のプレビューサイト、
『きんどるどうでしょう』さん、
『つんどく速報』さん、
『電子書籍の個人作家たち』さんなど、
たくさんの紹介サイトさんががんばっているのがとても嬉しいです。
「本との出会い」の場がもっともっと増えるといいなあと思います。
Q08・当サイトでは「これからの編集者」という連載を通じて、セルフパブリッシング時代の編集者の役割についても考えています。もし、作家としての山田佳江さんのことを新たにサポートしたいという編集者が現れたとしたら、その人に期待したい役割は何ですか。
ずっと一人で書いてきたので、
もしそんな人が現れたら一緒に楽しく本を作りたいです。
あと、さぼらないように見張っていて欲しいです。
Q09・『リーディング・ナイフ』が、今後、紙の本として書店に並ぶとして、この本の隣に並べて欲しいというような本を、3冊挙げてください。
『Gene Mapper -full build-』と
『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』の間に挟まりたいです。
あ、3冊ですか。
『Pの刺激 – Punk is UnknowN Kicks -』が出版されて
4人で並ぶ未来が見えました。
たった今見えました。
Q10・次の作品の構想がありましたら、お話いただける範囲でお教えください。
構想だけならいくつもあります。
『みるもの(仮)』は、未来視の能力を持つOLが戦う話、
『ホットクリスピーアップルパイ(仮)』は変わり者の女子高校生が先生を好きになる話、
『新興宗教波動スピン教(仮)』は美人カリスマ教祖が死ぬまでの話。
どれも執筆中で止まっています。他にもいくつか。
死ぬまでに完成できるといいですねえ。
Q11・山田佳江さんが注目していて、このコーナーで取り上げてほしい、ほかのセルフパブリッシングをされている作者がいらっしゃいましたら、教えてください。
たくさんいるのですが、あえて絞ると
『月と地球と』を書かれたあやまり堂氏。
努力の人、秀才タイプです。
『方丈記』、『宇治拾遺物語』の現代語訳を手がけたり、
文藝同人誌『てきすぽどーじん』の編集などの活動をされています。
ものすごい数の自作小説のストックを抱えているので、
これからどんどん出版されるのを期待しています。
『フリーズドライ』を書かれた雨之森散策氏。
天才です。
小説を書き始めてそれほど経っていないらしいので寡作ですが、
「書かなければならないなにか」を内包している人です。
Q12・最後に、このインタビューの読者の方に、メッセージをお願い致します。
あまり面白いことを書けずにすみません。
だいたいいつもこんな感じです。
(了)
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