INTERVIEW

セルフパブリッシングで注目の、あの作家に聞く

セルフパブリッシングで注目の、あの作家に聞く
『白く汚れて冷たく綺麗な』犬子蓮木さん

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セルフパブリッシングの現在に迫るべく、Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングなどで注目の作家にメールインタビューしていくシリーズ。更新再開後のセカンドシーズン第1回目は『白く汚れて冷たく綺麗な』を出版されたセルフパブリッシング作家、犬子蓮木(いぬこ・はすき)さんです。

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作品紹介

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『白く汚れて冷たく綺麗な』は、Amazon Kindleで立ち読みできます。

数々の事件を解決し、世間から美人名探偵と呼ばれる伊澄泉水は、第一の事件ののち、おっかけ助手の浦木周と、ある島にやってきた。目的は猫探し。数学者である老人がただ一人住んでいる島で、迷子になった猫を探しに来ただけであったはずの二人は、老人の孫で天才女子高生と噂される灰藤亜子と出会う。
そして発見される首が切り離された死体。夜には銃声が響き、死体は犯人の残したメッセージの通りなすすべもなく増えて行く。すべては密室。すべては不可能犯罪?
真実に辿り着くのは噂に名高い名探偵だろうか、それとも天才数学者の孫である少女が真実を暴くのか? 真実なんてきっと誰にもわからない……。

著者プロフィール

prof犬や猫や、もふもふした動物が原則として好き。
おもしろそうな漫画を見つけると一週間後ぐらいには全巻揃っていたりする謎な生活をおくっている。
日々、漫画を読んでさぼりつつたまに小説を書いたり、常々Twitter上に生息している模様。
ツイッターはこちら→@sleeping_husky
ブログはこちら→灯台杜と緑の少年

メールインタビュー

Q01・性別やご年齢、お住まいの場所、ご所属やご職業とそこで何をされているかなど、お話いただける範囲で構いませんので、犬子蓮木さんについてお教えください。

20代です。まだ三十路には到達していません。この間まで米軍基地がある街にいましたが、最近はジブリの森がある街にやってきました。ネコはたくさん見ましたが、まだネコバスは見ることができていません。

Q02・そんな犬子蓮木さんが、なぜ『白く汚れて冷たく綺麗な』を執筆されるに至ったのか、その動機をお教えください。

新人賞に応募してもれなく落選するために書きました。あと、殺される瞬間はどんなだろう、と考えたのでそんな感覚を知るために書きました。なので少し、残酷なお話かもしれません。

Q03・『白く汚れて冷たく綺麗な』の執筆には、どのくらいの期間と時間がかかっていますか。

全体でいえば3年ぐらいかかっているかもしれませんが、その間、1年ぐらいさぼっていたり、他のものを書いていたりしていましたので、実際は半年程度かと思われます。

Q04・『白く汚れて冷たく綺麗な』の執筆は、一日のうちのどのような時間に、どのような環境で行われましたか。

仕事から帰ってきて食事やお風呂などを一通り終えた夜の0時過ぎぐらいから午前3時ぐらいまで布団の上に寝っ転がって書きました。あまりに集中していると「はっ」と気付いたときには朝になっていることがありますが、もちろん寝ていたので執筆は進んでいません。そんな風にして見た夢のストーリーを主人公の伊澄が見た夢として脈絡もなく小説中に書いてあったりします。

Q05・『白く汚れて冷たく綺麗な』をセルフパブリッシングするにあたって、参考にされた本やサイトなどがありましたらお教えください。

EPUB3::かんたん電子書籍作成さんです。書いた小説にほとんど特殊な記述を書かず、ほぼプレーンなテキストのままで、しっかりとしたEPUBファイルを作成できます。小説を書いていて、電子書籍で販売などをしたいけれどEPUBの作り方がわからないという方には、こちらをとてもおすすめします。
EPUBに興味があってその仕組みを勉強することはもちろん良いことですが、ただ書くことに専念し、出してみたいという方にはなにも考えず簡単に作成できるこちらが本当におすすめです。

Q06・犬子蓮木さんが作家として、影響を受けていると感じる作家や作品がありましたら、お教えください。

森博嗣先生が大好きです。今回、ご紹介頂いている『白く汚れて冷たく綺麗な』もキャラの設定に一部オマージュが入っています。また、そういったことを考えていない作品についても影響などが無意識に多く含まれているようです。

Q07・犬子蓮木さんが、最近注目されているものやことをお教えください。

GoogleグラスやTelepathy Oneなどメガネタイプの端末に興味があります。自転車に乗っているときに並走して飛ぶ鳥の写真を撮るなど、今までのツールではしてみたいけどできなかったことができそうで楽しみにしています。次に書くものに出したいなとも考えています。

Q08・当サイトでは「これからの編集者」という連載を通じて、セルフパブリッシング時代の編集者の役割についても考えています。もし、作家としての犬子蓮木さんのことを新たにサポートしたいという編集者が現れたとしたら、その人に期待したい役割は何ですか。

おもしろくなるようなアドバイスや提案などを期待します。そして、わたしが大事だと思っていることは理解ができなくとも受け入れてくれればなと思います。なお、たぶんその逆はしません。わたしは理解できなかったら受け入れません。なので、空のように心の広い人がいいかと思います。わたしの心は猫の額よりも狭いです。

Q09・『白く汚れて冷たく綺麗な』が、今後、紙の本として書店に並ぶとして、この本の隣に並べて欲しいというような本を、3冊挙げてください。

森博嗣先生が大好きなので、『すべてがFになる』『ナ・バ・テア』『ジグβは神ですか』などに近づければとてもうれしいです。作品のレベル的には一生、背中を視界に捉えることもできそうもありませんが。

 

Q10・次の作品の構想がありましたら、お話いただける範囲でお教えください。

長編ミステリィを書きたい熱が高まってきましたので、のんびりとタイトルや登場人物の名前を考えはじめています。探偵役は目の見えない女子高生、相棒は耳の聞こえない小学生の男の子、そんな二人が事件の真相を探っていくものにする予定です。ずっと前に考えて取っておいてあった最後のシーンをそろそろ書きたいなという感じです。最後のセリフは「そうですね」となる予定なので、半年以内ぐらいにはそこに辿り着けたらいいなあと……。

Q11・犬子蓮木さんが注目していて、このコーナーで取り上げてほしい、ほかのセルフパブリッシングをされている作者がいらっしゃいましたら、教えてください。

『彼女のための幽霊』の吉野茉莉さん。森博嗣先生の匂いがします。
『落語り帳シリーズ』の十千しゃなおさん。登場人物の一人がとてもウザイです。ウザイです。ほめてます。
『天の種』の鳥居とりさん。ふとしたときの暗さや、知らなかった世界を知ることができるところが好みです。わたしのミライカナイという本の表紙をつくっても頂きました。
個人出版作家へのインタビューという形式は他サイトさんでも多くありますので、他にはないような質問や答えなどがあればと、とても楽しみにしています。

Q12・最後に、このインタビューの読者の方に、メッセージをお願い致します。

病的に暗かったり、自己満足全開の意味不明なものを書いたりもしていますので、作品をご購入される方は内容紹介を注意深く読んだ上でご購入されることをおすすめします。いろいろあります。
年柄年中Twitter上で生活していますので、作品の感想だけでなく気軽に話しかけてくれたりしてもらえますとうれしいです。作品の感想もとてもうれしいです。
ではでは。

(了)
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