005「ASIA BOOK MARKET 現地レポート」
2016年12月19日、昨年の年末に、関西で『IN/SECTS』という雑誌を作っている松村貴樹さんから、一通のFacebookメッセージが届きました。「突然ですが今、東京におります」「実は、来年の5月に大阪で、アジア圏も含めたブックマーケットを考えています。韓国に行かれていたので、事情をお伺いできれば」ということで、急遽お会いしたところから、ぼくとこのイベントとの関わりははじまりました。
「韓国に行かれていた」というのは、さらにさかのぼること、2016年の夏。ぼくの著書『本の逆襲』の韓国語版が出版されたのをきっかけに、ソウルにお招きいただきブックイベントに出演しました。編集担当の朝日出版社の綾女欣伸さんと一緒に行ったのですが、そこで現地のブック・コーディネイター、ジョン・ジヘさんと、翻訳担当のムン・ヒウォンさんに、ソウルのそれぞれ個性ある書店や、そこに並んでいる「独立出版物」の数々を案内していただき、隣国にも関わらず日本では全然知られていないそのムーブメントの勢いに、ぼくと綾女さんは本当に驚いてしまいました。帰りの飛行場で、その場で「これは本にするしかない」と決めて、あらためて取材に行ったのでした。
アジア圏も含めたブックマーケット。韓国からの出展者は、松村さんに声をかけていただいたぼくと綾女さん、そして本の編集をご一緒した韓国語のできる編集者の古谷未来さんが、そして台湾からの出展者は、台湾と日本をつなぐクリエイティブ・エージェンシーLIPの田中佑典さんが、それぞれ声をかけて、大阪に集まってもらいました。いよいよ第1回目として、昨日と本日で開催されたイベントを、ブログ的にいち早く、現地からレポートします。
北加賀屋にある造船所の跡地が会場です。IN/SECTSさんが主催している「KITAKAGAYA FLEA」というイベントの一環で開催されました。
1Fと2Fは飲食や雑貨のブースを中心に、アーティストやつくり手が直接売っていたり、DJやパフォーマンスが行われていたりなど、さまざまな催しが行われています。
3FがASIA BOOK MARKETです。日本、韓国、台湾、香港から、規模も大小様々な出版社や書店が、混在しているのがとにかく一番面白いところです。
この熱気!
フィルムアート社+MONTAG BOOKSELLERSのブースでは、DOTPLACEでおなじみ川崎昌平『重版未定』の特設コーナーが一番人気!
ぼくたちNUMABOOKSも、できたばかりの吉田昌平『新宿(コラージュ)』でブースを出しました。
『本の逆襲』の出版社である朝日出版社のブース。営業の橋本さん。手前に映っているのがソウル取材をまとめた最新刊の『本の未来を探す旅 ソウル』。会場で初売り!
お世話になったジョンさんのsajeokin bookshop。『本の未来を探す旅 ソウル』(朝日出版社)にもロングインタビューが出ています。
ソウルのホンデを代表する独立系書店THANKS BOOKSのブース。代表のイ・ギソブさんと、出版社PROPAGANDAのキム・グァンチョルさん。ちょうど『本の未来を探す旅 ソウル』の最初と最後を飾るお二人です。
国内の独立系書店もいくつも出ています。こちらは名古屋からON READINGの黒田さん。
「パン」のステッカーでおなじみ、チーム未完成のみなさん。インディペンデントなアーティストが直接出店しているのも魅力です。
遊びに来ているゲストも多彩。突然あらわれてスパークリングワインを注いで回る、かもめブックスの柳下さん。
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紹介しきれませんが、とにかく相当面白いイベントです。会場もとっても広くて、海辺で気持ちがいいところ。ぜひ来年もやりたい!本日20時まで、あと数時間ありますのでもし、お近くの方間に合えばぜひ。
※「内沼晋太郎の本屋雑録」は、DOTPLACE共同編集長・内沼晋太郎による超不定期コラムです。
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