※下記からの続きです。
内沼晋太郎の本屋雑録 001「フランクフルトブックフェアに行ってみた・その1」
2013年のフランクフルトブックフェアの会期は、10月9日(水)~13日(日)の9:00~18:30(最終日は17:30)。ぼくたちは日本時間の9日昼に出発し、現地時間の9日の夜に到着しました。
翌日に備えるべくザ・ドイツ料理を堪能したい!と考え、フランクフルトの夜の街に繰り出しました。ドイツといえばビールとソーセージですが、フランクフルト、特にマイン川の南側ザクセンハウゼンは、アップルワインで有名な土地でもあります。アップルワインというのはリンゴ酒、いわばシードルのようなものですが、フランクフルトのものは厳密にいうと違うようです。
というわけで、老舗の「Adolf Wagner」に。歴史を感じさせる小さな建物……かと思いきや、奥には広大な空間が広がっていて、ゆうに数百名は収容できそうな広さ。しかもほぼ満席!アップルワインでドイツ郷土料理をいただいて、翌日には元気に会場に向かいます。
見本市会場といえば、日本だと東京ビッグサイトとか幕張メッセなどが思い浮かびますが、フランクフルトのメッセは世界で3番目の大きさ。フランクフルトは世界でも有数の見本市の街なのです。
その会場全体に世界中の出版社が集まり、主に版権交渉を行うのがいわゆるブックフェア。フランクフルトは世界で一番大きなブックフェアで、世界中の出版関係者が集まります。日本で発売されている翻訳書も、実はその多くがこのフランクフルトで取引されていたりするわけです。
実はぼく自身、大学を出て新卒で就職した会社は東京で見本市を行う会社でして、そこで東京国際ブックフェアというブックフェアを担当していました。その会社にいた期間は短いのですが、それから10年以上本の仕事をしているにも関わらず、恥ずかしながら今回が初めてのフランクフルト訪問となりました。
会場に入ると、館ごとにテーマが分かれています。基本的に、国や地域で区切られているか、出展しているジャンルで区切られているかのどちらかです。主に出版社のブースが出されていて、その周辺でセミナーが開催されていたりする、という点ではどの館も一緒です。
まず入ったのは、8.0館「Internationale Verlage」。ここは主にアメリカやイギリスなど英語圏の出版社がブースを出しているので、中でも大規模なブースが多く、盛り上がっているエリアの一つです。
※「内沼晋太郎の本屋雑録」は、DOTPLACE編集長・内沼晋太郎による不定期コラムです。
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