COLUMN

ナカムラクニオ アジア本屋紀行 第3回 韓国・ソウルの未来派書店編

ナカムラクニオ アジア本屋紀行 第3回 韓国・ソウルの未来派書店編
その1:ソウル版「一箱古本市」in 光化門広場

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韓国・ソウルの未来派書店編
その1:ソウル版「一箱古本市」in 光化門広場

過去と未来の隙間のような都市、ソウル。

#3-1_

パラレルワールドに迷い込んでしまったような空間を歩くと
不思議な高揚感を感じる。

今回の韓国滞在は、1週間ほどの予定。
しかし、まだ書店は50軒ほどしか行けていない。
果たして、ゴールの釜山まで「本屋巡礼」することは可能なのだろうか……。
少し焦りつつ、今日もスタート。

#3-2_

まず気になったのが、この看板。
「コヤンイノリト(猫の遊び場)」と書いてある。
これは……猫カフェではないか?

すると、猫のぬいぐるみをかぶったスタッフが、奥から出てきた。

#3-3_

どうやら路上で勧誘するらしい。
日本とは、ちょっと違う印象だが、どうやら猫カフェのシステムは同じようだ。
猫カフェが台湾やパリでも流行っているというのは聞いていたが、ソウルでも普及していたとは知らなかった。
次は、必ず立ち寄ってみよう。

#3-4_

まず向かったのは、巨大ビルが立ち並ぶソウル中心部にある景福宮
ソウルの五大宮の一つで、朝鮮王朝(1392-1910)の正宮。
この前の大通りは「光化門広場」と呼ばれ、週末になるといろいろなイベントが開催されている。
銀座の歩行者天国みたいな感じ。

歩いていると……、なにやら人ごみが見えてきた。

#3-5_

なんと「一箱古本市」が開催されているではないか!
しかも、まったく日本と同じような景色。

#3-6_

聞いてみると、最近よく開催されているようで、
出店料金は、10000ウォン(約1000円)ほど。
日本の影響なのだろうか。ほとんど同じ景色だ。

#3-7_

こだわりの古書店が勢揃いするというよりは、庶民的な雰囲気。
実用的な本が多く、フリーマーケット的な感じ。
「植物の育て方」とか「植物図鑑」などがずらりと並ぶ。

#3-8_

絵本や児童書も多く、古本屋さんよりも少し安い。

#3-9_

世界中にいろいろな古本市場があるけれど、売り方やシステムなど比較したら面白いかも。
もし「世界の古本市マニア」の方がいたらぜひご連絡下さい。

#3-10_

古本市を抜けると、巨大なビルが見えてきた。
ここがソウル最大の本屋さんか……。
思ったより……地味な外観だ。さっそく、潜入!

#3-11_

「な、なんだこれは、カジノか?」

と思うような装飾。しかも、すごく賑わっている。
この日は週末だったせいもあって、
ラッシュアワーの電車の中みたいに混んでいる。

ここ教保文庫(きょぼぶんこ)は、ソウルを代表する有名大型書店。
地下鉄の光化門駅からも直結しているので、とても便利。

#3-12_

韓国最大規模といわれる230万冊がずらり。1日3万冊、入荷するらしい。
どうやってその3万冊を並べているのか知りたい……。
店内にある総合案内を利用すると、オススメ本、講演会、
サイン会などのイベント情報も知ることができる。これは便利。

#3-13_

中を見渡すと、本棚の隙間に、花屋さんがある!
韓国では、比較的普通のことなのだろうか……。

#3-14_

「教保文庫オリジナルグッズ」も揃っている。
バッグ、マグカップ、Tシャツなど様々。

#3-15_

そして、やはりほとんどの人が座り読みしている。
居心地良さそうだが、なかなか真似できない。

その2:“雑貨店”化する書店「教保文庫 光化門店」 に続きます


PROFILEプロフィール (50音順)

ナカムラクニオ(なかむら・くにお)

1971年東京生まれ。荻窪にあるブックカフェ「6次元」店主。フリーランスで美術や旅番組などのディレクターとして番組制作に携わり、これまでに訪れた国は40ヶ国以上。趣味は世界の本屋とカフェ巡り、うつわの金継ぎ。+DESIGNING「デザインガール図鑑」、朝日小学生新聞「世界の本屋さん」mille「世界の古道具屋」連載。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方~都市型茶室「6次元」の発想とは』(阪急コミュニケーションズ)がある。


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