気鋭のイラストレーターや美術家を毎月起用し、本/読むこと/書くこと/編むこと にまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2015年2月期は、書店員と並行しつつイラストレーターとしても活動されている長谷川朗(はせがわ・あきら)さん。昨年末に第25回HBファイルコンペで仲條正義賞大賞に輝き、今後の活動も楽しみな作家の一人です。先の賞における「暗示にかかってしまった。と言うしかない。」という選評も頷ける、不思議な引力を持った作品をご堪能ください。
長谷川さんに聞きました
――どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品『泳ぐ本』を制作されましたか。
僕自身本は好きですが、小説など文字を読むものよりもヴィジュアルを楽しむタイプでして、じっくり読むというより観る、眺めるものとして本が好きです。ぱらぱらと。
上下の放射状の線はそのページをぱらぱらめくるイメージを表しています。ただしぱらぱらの中を漂うようにふわふわっとしているのではなく、泳いでいるように本を楽しむ自身を描いています。
――長谷川さんが普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
手軽に短時間で描くこと。そしてテーマや対象も決めずに。普段仕事をしていて絵を描く始めるのが夜遅く、すぐに眠くなる人なのでさっと取りかかれて短時間で仕上げる事をやっていたら今の描き方になりました。
ナヌークにポスカで描くという。また飽きやすいのであまり時間をかけて描くとその作品へのエネルギーも薄れてきますし。でも今回はテーマもあり、考える時間も含め一週間くらいかかりました。
――長谷川さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
今はタイガー立石の『ムーン・トラックス』。この一冊!というより、その時その時で一番好きなものが変わっていきます。『よるのようちえん』にもだいぶんぱらぱらさせられました。
――今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
HBファイルコンペで仲條正義さんの大賞を昨年末にいただきまして、その個展が7月24日からHBギャラリーであります。ART AND MOREというサイトでも隔月くらいで作品を発表しています。あとはインスタグラムでも時々発表していきますので見てみてください。
――ありがとうございました!
[DOTPLACE GALLERY #011:長谷川朗 了]
COMMENTSこの記事に対するコメント