気鋭のイラストレーターや美術家を毎月起用し、本/読むこと/書くこと/編むこと にまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2015年4月期を担当するのは、グラフィックデザイナーの佐々木俊さん。『死んでしまう系のぼくらに』(リトルモア)、『星か獣になる季節』(筑摩書房)など、詩人・最果タヒさんの近刊のデザインも連続で手がけており、そのエッジの効いたグラフィックが鮮明に頭の中に残っている人も多いはず。今回はDOTPLACEのために作品を制作していただきました。
佐々木さんに聞きました
――どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品『There are many books.』を制作されましたか。
様々な寸法、背幅の本を画面に配置しました。
すごく大きな本、小さな本、縦長、横長、いろいろな本。どんなカタチでも本は本。
――佐々木さんが普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
例えば本のデザインの場合、ただ店頭で目立って買ってもらえれば良いわけじゃなくて、読み終わったあとも古本屋に売りたくならないような、買った人の本棚に居座るような、残るデザインを目指さないとなぁと思います。グラフィックデザインの機能は「売る(売れる)」だけではないと思うので。
――佐々木さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
大橋裕之『遠浅の部屋』
著者の自伝的漫画なのですが、挫折とかあきらめを抱える人間を応援も否定もせず、右斜め後ろあたりから見守ってくれる感じの漫画です。もし18歳で上京したばかりの未来に不安だらけのときにこの漫画と出会っていたら、人生のバイブルになっちゃってたと思います。大橋裕之さんの絵のタッチはザクザクッとしてて、気持ちよくて好きです。
――今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
頑張ってグラフィックデザインします。
本のデザインの仕事は、特に楽しい分野なのでもっとたくさんやりたいです。みなさまよろしくお願いします。
――ありがとうございました!
[DOTPLACE GALLERY #012:佐々木俊 了]
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