COLUMN

菅俊一(監修) 電子本の売り方がよくわからないDOTPLACE編集部がとりあえず思いついたことから何でもやってみる企画(仮)

菅俊一(監修) 電子本の売り方がよくわからないDOTPLACE編集部がとりあえず思いついたことから何でもやってみる企画(仮)
03: 「紙版の電子本」設置協力店舗・スペースを募集します。

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オリジナル書籍レーベル「DOTPLACE LABEL」の第1弾として、今年7月に無事『まなざし』、『街の本屋の逆襲』、『コルクを抜く』の3冊を同時発売させたDOTPLACE編集部。めでたく発売まで漕ぎ着けたものの、ここにきて電子本を売るためのノウハウが自分たちにまったくないことに気がつきました。電子本としてのクオリティは自負している、だから絶対に売れてほしい、しかしどうしたらいいか素で見当がつかない……目隠しでサバンナに放たれたも等しい状況。そんな中、素人なりの素朴な思いつきを手当たり次第販売促進企画として試してみることにしたのでした。『まなざし』著者の菅俊一氏監修のもと、効果の大小はいったん脇に置いておいて、この連載ではその思いつきの実践の過程を随時報告していきます。


03: 「紙版の電子本」設置協力店舗・スペースを募集します。

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■「紙版の電子本」という存在について
 
DOTPLACE LABELで刊行済みの3冊『まなざし』/『街の本屋の逆襲』/『コルクを抜く』は、
ご存じの通り今のところは電子版のみでのリリースです。
しかし、思いつきでその電子版をこのたび、そのまま紙の本にしてみました
(要するに、プリントオンデマンドというやつです)。
 
言うなれば、「紙版の電子本」です。
紙の本として印刷する前提で組版したわけではなく、電子本リーダーで表示される画面が
基本的にはその印象をキープしたまま、印刷され綴じられたフィジカルな物体として存在している。
ある意味、奇妙なねじれをはらんでいる不思議な存在が
プリントオンデマンド a.k.a.「紙版の電子本」なのです。
これを、DOTPLACE編集部はいったん、一般的な紙の本とは切り離して考えてみます。
 
・・・
 
「紙版の電子本」には例えばこんな強みがあるのではないか、と考えました。
Web上の電子書籍ストアなどでできる“試し読み”はふつう、冒頭のわずか数ページだけでですが、
当たり前のことながら、「電子本の紙版」は通常の紙の本と同じく、全ページの閲覧が可能です。
本のどの部分が、手に取った人の心に引っかかるかは予測がつきません。
いくら、一番キャッチーだろうと思われる部分を選んで“試し読み”として差し出したとしても、
その読みが外れることは往々にしてあります。
 
またあるいは、不特定多数の人が行き来する場所にポンと置かれることで、
Web上で宣伝するだけでは届くはずのなかった人に存在を知ってもらえるきっかけにもなります。
しかも、その場で読むことができるので、フライヤーなどを置くよりもずっと直接的に
内容を確かめてもらう機会が増えるでしょう。
 
もしそこで“試し読み”した人に気に入ってもらえたら、そこから生まれる広がりもあるのでは?
そこまでスムーズに売り上げに直結する話ではないのかもしれませんが、
とりあえずいろいろ試してみるのがこの連載の趣旨なので、試してみるほかありません。
 
というわけで、読書感想文コンクールの次は、
「紙版の電子本」を置いてくださるお店・スペースを5店舗募集します。

 
「紙版の電子本」は文庫本サイズです。電子版『まなざし』から新たに追加されたイラストなどももちろんすべて掲載。

「紙版の電子本」は文庫本サイズです。電子版『まなざし』から新たに追加されたイラストなどももちろんすべて掲載。


 
 

【「紙版の電子本」設置協力店舗・スペース 応募概要】

 
◯「紙版の電子本」設置期間
2014年10月中旬〜2014年11月30日までをめどに、
「紙版の電子本」が読める状態で設置頂けると幸いです。
期間終了後、「紙版の電子本」はそのまま差し上げます。
 
◯協力店舗・協力スペースの条件
以下の条件を満たしている店舗・スペースが応募できます。
・日本国内にあること。
・美容院、理髪店、カフェ、バー、病院の待合室、シェアオフィスなど、
そのスペースのお客さまや利用者が「本・雑誌を閲覧できるスペース」を持っていること。
(スペースの規模の大小は問いません)
・期間中、「紙版の電子本」を良好な状態で閲覧可能な場所に置いて頂けること。
※期間中、お客さまや利用者の方に積極的に本をプッシュして頂けたり、
 SNSやブログなどでキャンペーンについて宣伝してくださるスペースはなお歓迎します!
 
◯募集する店舗・スペース数
5店舗限定
※DOTPLACE LABEL『まなざし』/『街の本屋の逆襲』/『コルクを抜く』
各1冊ずつをお届けします。
※応募多数の場合は編集部内で選考させていただきます。
 
◯応募方法
メールでの応募となります。
件名を「試し読み設置協力店舗応募」とし、
設置希望スペースの名称/URL/電話番号/担当の方のお名前/
設置希望スペースの簡単な特徴・普段の客層や利用者層・PRポイントなど
を明記の上、
dotplace(アットマーク)numabooks.com
までご連絡ください。
 
◯応募しめきり
2014年10月5日(日)23:59
 
 
★協力店・協力スペースになるとこんなことが起こります
・協力店・協力スペース一覧として、DOTPLACEにスペース情報を掲載させていただきます。
・キャンペーン期間中、あるいは期間終了後、そのスペースに菅俊一氏が赴き、
 DOTPLACE掲載分の『まなざし』の原稿をそこで執筆します(記事公開時、記事内にそのスペースの情報も掲載させていただきます)。
※関東近郊のスペースに限ります。その他の地域の場合、個別にご相談させていただきます。
ほか、「紙版の電子本」をきっかけにコミュニケーションが生まれたり、試し読み目的でそこを訪れる人が増えるかもしれません。
 

たくさんのご応募お待ちしています!

※ご不明な点などがございましたら、
dotplace(アットマーク)numabooks.com までお気軽にお問い合わせください。

 
 

★今週末、B&Bにて電子本『まなざし』を紐解くイベントが開催!

菅俊一×山本晃士ロバート×水野祐×内沼晋太郎×後藤知佳
『まなざし』のまなざし
『まなざし』(ボイジャー)刊行記念
トーク+電子サイン会

 
2014年9月28日(日)19:00〜21:00
B&B(東京・下北沢)

 
これからの執筆・編集・出版にまつわるサイト「DOTPLACE」でとりわけ人気を集める、研究者/映像作家の菅俊一さんによる連載コラム「まなざし」。読むこと/書くこととその周辺に潜む日常の違和感を丁寧に紐解いていく数々の手記は、去る7月に一冊の電子書籍として刊行されました。
“形を持たない”本を作る過程で生じるさまざまな価値判断や、それを売るということ、そして現在展開中の型破りな『まなざし』のプロモーションの試みの始まりについて、今回は特別にお話しします。
★トーク後、来場者の方に『まなざし』電子書籍データへのサイン会(史上初?)を開催します!
 
第1部:「『まなざし』ができるまで」
菅俊一×山本晃士ロバート(ユーフラテス/『まなざし』カバーデザイン)
第2部:「『まなざし』を売ること/「開く」こと」
菅俊一×水野祐(弁護士/シティライツ法律事務所代表)
+『まなざし』電子サイン会

聞き手:内沼晋太郎、後藤知佳(ともにNUMABOOKS/DOTPLACE編集部)
 
※イベントの詳細・登壇者プロフィール・参加お申し込みはこちら


PROFILEプロフィール (50音順)

菅俊一(すげ・しゅんいち)

研究者/映像作家。多摩美術大学美術学部統合デザイン学科専任講師。 1980年東京都生まれ。人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、さまざまなメディアを用いて社会に提案することを活動の主軸としている。主な仕事に、NHKEテレ「2355/0655」ID映像、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」コンセプトリサーチ、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展示ディレクター。著書に『差分』(共著・美術出版社、2009年)、『まなざし』(電子書籍・ボイジャー、2014年)、『ヘンテコノミクス』(共著・マガジンハウス、2017年)。主な受賞にD&AD Yellow Pencil など。 http://syunichisuge.com/


PRODUCT関連商品

電子版『まなざし』

菅俊一 (著), Noritake (イラスト)
これからの執筆・編集・出版に携わる人のサイト「DOTPLACE(http://dotplace.jp)」でとりわけ話題を集める、研究者/映像作家・菅俊一氏の連載コラム「まなざし」が、満を持して電子書籍化。「読むこと」「書くこと」とそのまわりに潜む日常のちょっとした違和感を、シンプルな言葉で丁寧に読み解いていく12編の「まなざし」。電子書籍版ならではの追加テキストも収録。イラストレーター・Noritake氏による描き下ろしイラストも見どころです。
カバーデザイン:山本晃士ロバート(ユーフラテス)、編集:後藤知佳(numabooks)