気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
この11月度のトップページは、グラフィックデザイナー/イラストレーターの横山雄さんが担当します。躍動感のある線が印象的なドローイングを数多く残している横山さん。その伸びやかな線をもって描かれる本の姿は、それらが本来持っている情報の饒舌な側面を改めて私たちに気づかせてくれる気がします。
横山雄さんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
本を描きました。本に見えるでしょうか。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
筆跡やモチーフ、造形に含まれてしまう情報や、絵と対峙する時のコミュニケーション(沈黙や拒絶を含む)を重視しています。
——横山さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
ハンス・ウィルヘルムの『ずーっとずっとだいすきだよ』という絵本です。愛犬が亡くなってしまう話ですが、自分の人格形成に大きく影響を与えていると思います。身体の弱い私にとって本は話し相手だったり、先生でした。ボロボロでカバージャケットはテープでつぎはぎだらけですが、今の家にも持ってきています。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
昔描いていたのですが、冊子に漫画を寄稿する予定です。本が作られ過ぎることは短命な情報の肥大化や環境面でも問題を抱えており、何を本にするべきかということが作家にも問われています。活字や物語など時間軸のあるものに改めて役割を感じています。
[DOTPLACE GALLERY #039: 横山雄 了]
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