気鋭のイラストレーターや美術家を月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2015年9月期の担当は、2013年にイラストレーターとしての活動をスタートさせた水内実歌子さん。彼女の作品郡に見られる美しくユーモラスな数色のみ世界は、ご自身が見た夢の風景を描き留めることから出発しているのだそう。色鉛筆が紡ぎだすグラデーションのなめらかな質感と、脳裏に焼きつくグラフィカルな強さを持ち合わせた独自の作風で、「読む」という行為を表現していただきました。
水内実歌子さんに聞きました
――どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品『ナイフと花』を制作されましたか。
本を読んだり画集を眺めたりしていると、時折、刃物で突き抜かれたような感覚(瞬間的だったり、段階的だったり)に陥ることがあります。衝撃がからだを駆け巡って、頭上あたりに花が咲く。そんな、心が揺さぶられながらも心地よい感覚が生まれるイメージを描きました。
――水内さんが普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
物事の単純化とその形、色の塗り方、構成のバランスです。
また、ここではないどこかのような好奇心の持てる空間を意識しています。
――水内さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
横尾忠則さんの『私の夢日記』です。
私は毎日夢をみます。これまでにいろんな異空間をさまよったり、へんてこな登場人物に出会ってきました。夢は自分を形成する一部であり、表現対象にしてみたいとぼんやり考えるきっかけになった一冊です。
誰かの夢を想像することは体力を使いますが、不思議な心地よさがあります。
――今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
10月に、2つ展示の予定があります。
いままで活動の中心であった夢の絵を継続しつつ、さまざまな媒体や試みに挑戦したりなど、とにかくたくさん絵を描きたいです。
――ありがとうございました!
[DOTPLACE GALLERY #017:水内実歌子 了]
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