気鋭のイラストレーターや美術家を毎月起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2015年5月期の担当は、ザ・なつやすみバンドやYeYeなどミュージシャンのアートワークをこれまで多く手がけられてきた惣田紗希さん。直近では柴崎友香さんの『虹色と幸運』(ちくま文庫)での仕事も記憶に新しく、イラストレーターとデザイナーの両面で今後の活躍が楽しみな存在です。
新緑のこの季節にふさわしく透明水彩が映える今月の作品、細部までご堪能ください。
惣田紗希さんに聞きました
――どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品『5月の庭で待つ』を制作されましたか。
本を読んでいて、この本はあの季節のことなんだと気づいたり、あの季節にまた読み直そうと思う本があります。
そういった本をまた読む日まで楽しみに待ちながら、季節の移り変りにも気づけたらいいなと思い描きました。
本を読みながら自分が居る季節に気づかせてくれたのは大島弓子さんの『綿の国星』です。
――惣田さんが普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
人の身体や植物や風にそよぐものなど、眺めながらラインを覚えて絵に描きます。
なるべく透明で、自然であるように。
――惣田さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
インドのターラー出版社から出版、日本ではタムラ堂から発行されている絵本『夜の木』(第3版)。
手漉紙、スクリーン印刷、製本まで全てハンドメイドで作られていて、手にした時に、あたたかいと感じた本です。
人の手に届き、手で持ち、手でめくる本が存在する時代が続く間に、いつかこんな本を作りたいなと思います。
――今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
音楽関連の仕事が多いですが書籍の仕事を増やしていきたいです。
――ありがとうございました!
[DOTPLACE GALLERY #013:惣田紗希 了]
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