気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
年の初めにふさわしい、清々しい作品を提供してくださったのは、関西を拠点に活動する尾柳佳枝(おやなぎ・かえ)さん。遠くの木々を臨む風景画のようにも、パレットの上に偶然あらわれた模様のようにも見える、瑞々しい絵づくりが印象的な作家です。平面作品だけでなく、個人で制作・発行しているカレンダーや作品集など、物体としてその世界観がパッケージされたときの存在感は格別。インタビューで登場する「地図」というキーワードは、今後の作品を鑑賞する際の手がかりにもなりそうです。
尾柳佳枝さんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
本の中で起きているいろいろな事柄の地図のような、様々な本で読んだあれこれが頭の中でちらばる図のような、みたいなことを思いながらかいてみました。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
絵を描くのまでの環境を整えることです。熱いお茶をいれて、好きなおやつを用意して、できるだけ自分をちやほやして機嫌よく制作できるようにすることです。
画材はアクリルガッシュ、オイルパステル、色鉛筆、カーボン紙など使うのもすべてを手の届くところに用意してはじめます。
——尾柳さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
『絵図でめぐる川崎』
川崎の昔の地図、絵図を集めた本です。現在の地図と空中写真も併せて掲載されているのもすてきです。絵図が豊富に、すべてカラーで掲載されているすばらしい本です。
地図としてかかれているのですが、素晴らしく美しい抽象画集だと思って眺めています。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
ふとんの展覧会ができそうです。正確にはふとんカバーに描いた絵をふとんに被せて展示します。2017年夏頃、大阪で開催予定です。
ふとんを見るとくつろいだよい気持ちになるふとんの力を借りられて、絵がずっとよく見えるのでいつかたくさん展示してみたいと思っていたのでとても楽しみです。
[DOTPLACE GALLERY #030: 尾柳佳枝 了]
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