気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2020年6月期の担当は、書籍の装画をはじめ、ジャンルを超えて様々なコラボレーションワークを手がけられている画家の狩野岳朗さんです。抽象と具体との関わりあいが、鑑賞者の意識と無意識とを結びつけるような線と面。書物を思わせるマチエールの触覚をぜひ目で読んで感じてみて下さい。(※クリックで拡大できます)
狩野岳朗さんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
版下や構成する時の脳内制作過程を思いました、あと触れたいような紙媒体のモノ感。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
初動の気持ちというか気づきは大切にしていると思います。
あ、トイレ行きたい、と思ったらすぐトイレ行くみたいな、
あ、この感じと思ったらすぐ描く。いやそんな上手くできてないですね。
その感覚を忘れないようにして、なるべく新鮮なうちに形にする。
それを維持するためにその時聴いてた音楽を何度も聴いたりもします。
逆に歌を口ずさんで何かを思い出すときもあります。
そういう意味で音楽はお供です。
それとはまた別にコントロールできてない部分を取り入れること。
全てに意識が行き届いてるとなにか物足らないので、例えば目をつぶって描くとかです。
——狩野岳朗さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
中沢新一・著『森のバロック』です。
南方熊楠が好きで何冊か読んだなかでしっくり来た本。
今知りたいことが詰まってて、ここ数年何度も読み返しています。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
時期は変更になったりしてますが、展示の用意を進めています。
近年とりかかるようになった大きめな絵ももっと描きたいです。
これからもいろんな人と面白いことやっていきたいです。
[DOTPLACE GALLERY #069: 狩野岳朗 了]
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