INTERVIEW

DOTPLACE GALLERY

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#062:秋山花

今月の1枚(※クリックで拡大できます)

今月の1枚(※クリックで拡大できます)

気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2019年11月期の担当は、幅広く手がけられている作品のどれもが、マチエールに対するこだわりや、イラストレーションの持つ叙述性を感じさせてくれるイラストレーターの秋山花さんです。物語世界への想像力が、どんなところににも連れて行ってくれる。そんな読書という居場所の安心感を改めて実感できる作品を、じっくりと味わってみてください。

秋山花さんに聞きました

——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。

読書は、日常生活から遠く離れた場所へ自分を連れて行ってくれます。
あれよあれよと本の世界へ引き込まれ、気が付けば、見たこともない風景に囲まれている。
もっと知りたくて、もっと遠くへ行ってみたくて、私は本を開きます。
そんな自分のように、読書に夢中になっている人の姿を描いてみました。

——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。

言葉で表現するのが難しいことだったり、AでもBでもない何かだったり、
絵という表現だからこそ伝えられるものを伝えられたらなと、いつも試行錯誤して制作しています。
イラストレーションの力で、観ている人の想像力を刺激したり、心を動かすことができたら嬉しいので、アクリル絵の具で描く際の筆跡だったり、薄く残る鉛筆の線だったり、手での表現だからこそ生まれてしまうアナログなマチエールはずっと大切にしています。

——秋山花さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。

沢山あるので、1冊をあげるのはなかなか難しいのですが、レイ・ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』は私にとって大切な本です。
生きる喜びを感じられ、頭の中に風景がどんどん広がり、とても贅沢な気持ちになれます。

——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。

息子(3歳)の成長を観察しながら、只今絵本を制作しています。
おそらく時間はかかるかと思いますが、ぜひ楽しみにしていてください。

[DOTPLACE GALLERY #062: 秋山花 了]


PROFILEプロフィール (50音順)

秋山花(あきやま・はな)

イラストレーター。1984年生まれ。 多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。 多摩美術大学大学院博士課程前期グラフィックデザイン研究領域修了。 書籍、広告、雑誌、Web、パッケージ、CD、新聞等でイラストレーションを手がけ、国内、海外での展示で作品を発表。 2014年ニューヨークADC賞銀賞など、国内外で多数受賞。 作品集「"IHATOV" FARMERS' SONG」(2009年PLANCTON)、絵本「ソックモンキーのおくりもの」(2010年講談社)(造本装丁コンクール審査員奨励賞)を出版、等。 雑誌「暮しの手帖」、「母の友」、他、各方面で挿絵連載中。


PRODUCT関連商品

たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)

レイ・ブラッドベリ(著),北山 克彦 (翻訳)
出版社: 晶文社
発売日: 1997/8
梱包サイズ: 18.8 x 13.6 x 2.8 cm