気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2019年11月期の担当は、幅広く手がけられている作品のどれもが、マチエールに対するこだわりや、イラストレーションの持つ叙述性を感じさせてくれるイラストレーターの秋山花さんです。物語世界への想像力が、どんなところににも連れて行ってくれる。そんな読書という居場所の安心感を改めて実感できる作品を、じっくりと味わってみてください。
秋山花さんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
読書は、日常生活から遠く離れた場所へ自分を連れて行ってくれます。
あれよあれよと本の世界へ引き込まれ、気が付けば、見たこともない風景に囲まれている。
もっと知りたくて、もっと遠くへ行ってみたくて、私は本を開きます。
そんな自分のように、読書に夢中になっている人の姿を描いてみました。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
言葉で表現するのが難しいことだったり、AでもBでもない何かだったり、
絵という表現だからこそ伝えられるものを伝えられたらなと、いつも試行錯誤して制作しています。
イラストレーションの力で、観ている人の想像力を刺激したり、心を動かすことができたら嬉しいので、アクリル絵の具で描く際の筆跡だったり、薄く残る鉛筆の線だったり、手での表現だからこそ生まれてしまうアナログなマチエールはずっと大切にしています。
——秋山花さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
沢山あるので、1冊をあげるのはなかなか難しいのですが、レイ・ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』は私にとって大切な本です。
生きる喜びを感じられ、頭の中に風景がどんどん広がり、とても贅沢な気持ちになれます。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
息子(3歳)の成長を観察しながら、只今絵本を制作しています。
おそらく時間はかかるかと思いますが、ぜひ楽しみにしていてください。
[DOTPLACE GALLERY #062: 秋山花 了]
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