気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2016年10月期を担当していただくのは、色彩と質感に富んだアブストラクトなペインティングを描き出す一方で、静謐な物語性が宿る静物のドローイングなども発表している相川風子さん。イラストレーターの登竜門でもあるHBギャラリーファイルコンペでは仲條正義特別賞を受賞するなど、今後の創作活動にも注目していきたい作家の一人です。
相川風子さんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
小さい頃母親に、世界の秘密を明かされるような口調で「この世に平らなものはない、地面だって止まっているように見えていつでも揺れている。本当にまっすぐな線はお前の頭の中にしかないし、わたしたちの体を突き抜ける物体だって存在する。」というようなことを言われたときの頼りないような、でも何かが開け放たれたような気持ちを思い出し、自分にとっての確かさとは何だろうと考えながら、鉱石の図鑑をできるだけそのままに描きました。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
すごくぼんやりしていますが、人や世の中、絵、自分の重なりあってる部分をできるだけ感じ取りたいなと思います。
今回の一枚はわら半紙に鉛筆で描いています。なんとなく、写実的な表現には硬い素材を使い、細部から描き始めているように思います。
一方で、頭の中にしかない何かを描くときは柔らかな画材がいい気がして、油絵の具を使います。
——相川さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
気流の鳴る音という本です。
あと、本ではないけれど、長谷川りん二郎という画家の書く文章にとても魅力を感じます。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
近いうちに予定はありませんが、今後何らかの形で絵を発表できたらと思います!
[DOTPLACE GALLERY #027: 相川風子 了]
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