気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。2021年3月期の担当は、書籍の装画なども手掛ける画家のさとうさかなさんです。「わたしは本を/本はわたしをみている」という双方向の視線に気付かされる一枚。本というオブジェの温度感を感じられるような作品を描き下ろして頂きました。
さとうさかなさんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
本を読むことも好きですが、本の存在が好きで、置物を買うかのように本を買うことがあります。箱のような出で立ちで、中には誰かの思考や心のようなものがあって、それを開くことができる。そう思うとたまらなく、本に包まれたい。
そんな風に思いました。その包まれたい気持ちを絵の中に込めたように思います。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
最近は散歩が好きで、散歩の延長のように製作しているような気がします。
木や石の中にある静けさのように、心の中にある静けさを歩き、歩く中で見つけた物や記憶を描いています。
最近は版画や、紙で作る立体物を製作することが多いですが、製作の中で意図していない面白みに出会いたい気持ちもあり、製作で使う物や技法はあまり考えないようにしています。
——さとうさかなさんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
長新太さんの絵本が大好きで、その中でも『あかいはなとしろいはな』という絵本を何度も本棚から取り出して読み返しています。
“自分”対”誰か”、”自分”対”何か”の距離感や優しさはいつもこうでありたいなと思わせてくれる本です。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
3月から関西で、自身のオープンアトリエのようなお店を始めることになりました。
お店は「月曜日」と言って、個展開催期間以外は月曜日のみの営業です。
この場所で自身の個展を開催いたします。
空洞 sakana sato exhibition
期日:2021/3/8,15,16,22,29 12:00-18:00
3/13,14,20,21,27,28 18:00-10:00
場所:月曜日
〒544-0034 大阪府大阪市生野区桃谷1丁目10−18 1F
[DOTPLACE GALLERY #078:さとうさかな 了]
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