気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2019年7月期の担当は、広告や書籍装画、雑誌などを中心に幅広く活動するイラストレーターの坂内拓さんです。夏の海辺に佇む人と、傍らに置かれた書物の影。ミニマルな色面のかすかな重なり合いや、素材の淡い質感から、余白を読むような視覚体験を楽しんで頂きたい、これからの季節にぴったりの作品です。
坂内拓さんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
夏の海を見ながら本を読むシーンをイメージしました。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
展示ではコラージュ(切絵)、仕事は主にデジタルでイラストを制作しています。
重視していること……は、あまり説明的にはならないようにしています。
とは言ってもめちゃくちゃ説明してるじゃんってことも(特に仕事では)多いんですけど。。
自分では作品に意味や感情を込めて描いていますが、観てくれた方が自由に想像できる余白を絵の中に残したいと思っています。
絵を観たとき、どこかに共感してくれたら嬉しいです。
——坂内拓さんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
1冊は難しいのですが……作品で影響を受けたのはアレックス・カッツの「Collages」という画集です。
書店でこの本を手にしたのは、自分のやりたい事が見つからなくて悶々としていた時期でした。
ページをめくったとき、「この表現を今の感覚でやりたい」と強く思いました。
僕の方向性を決めた一冊だと思ってます。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
音楽や映画、舞台でも積極的にイラストレーションで関われていけたらなって思います。
これは今後の目標になるんですけれど、絵を描き続けていたからこその出会いや経験ばかりなので、
これからもできるだけ描くことを続けたいです。
最後の瞬間まで絵に関われていれたら最高だなと思います。
ありがとうございました。
[DOTPLACE GALLERY #058: 坂内拓 了]
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