気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。
2019年5月期の担当は、海外文学をテーマにしたコラージュと読書日記を纏めた冊子『stroll -四方八方歩き廻る 読み 書き 作り 思考する-』が読書好きの間でも話題の山本アマネさんです。開いた本のページから立ち上がる世界が読者を包み込むように、一枚の作品に描かれた世界がどこまでも広がっていく。そんな想像力の翼を与えてくれるような作品です。
山本アマネさんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
本を読んでいるとき、作者の感受性を通して、見たことも体験したこともない物事に思いを馳せます。
ひとたび頁をめくりさえすれば、国や時代の隔たりを越えて世界が無限に広がっていく読書の時間を思って制作しました。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
本や映画や音楽から影響を受けて創作することが多いので、自分の好きなものに対しての誠実さを見失わないように、また作品が独り善がりなものにならないように心がけています。
制作に使用しているのは古紙、ハサミ、糊、サジペン、インク、水彩絵の具等。パソコン作業の際にPhotoshop、Illustratorを使っています。
——山本アマネさんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
スティーヴン・ミルハウザー著『エドウィン・マルハウス』です。
好きな本は沢山ありますが、幼い頃のように毎日読んでいる小説のことばかり考えてしまうほど夢中になったのは本書が初めてでした。子どもの微細な感情の動きや、日々刻々と変化する自然の色彩が鮮明に記録された、とても美しい狂気じみた本です。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
スティーヴン・ミルハウザーやウィリアム・トレヴァーなど、好きな海外文学をテーマにしたコラージュ作品と、読書日記をまとめた冊子『stroll -四方八方歩き廻る 読み 書き 作り 思考する』が発売中です。
*お取り扱い店舗:下北沢 本屋B&B/高円寺 Amleteron/荻窪 本屋Title
また、5月中旬より銀座蔦屋書店にて冊子『stroll』に伴ったフェアが開催される予定です。
原画の展示、冊子に関連した書籍の販売が行われます。詳細はHPにて告知いたします。
現在公開中の映画『ギターはもう聞こえない』(監督:フィリップ・ガレル)
のパンフレットに本作をイメージした挿絵が掲載されています。
*公開劇場:東京都写真美術館ホールほか(4/27~ 同時上映:『救いの接吻』)
[DOTPLACE GALLERY #056: 山本アマネ 了]
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