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清水玲奈 英国書店探訪

清水玲奈 英国書店探訪
第7回 Pickled Pepper Books

 INK@84

写真:清水玲奈 イラスト:赤松かおり

 

第7回 Pickled Pepper Books

 

 INK@84

 

 ロンドン北部のクラウチエンドは、子どもがいる中流の家族が多く住む住宅街です。ピクルド・ペッパー書店は、オーガニック食品のスーパーや子ども服のブティック、それにカフェレストランなどが立ち並ぶショッピングストリートにあります。絵本からティーン向け読み物まで子ども向けの本を集めた本屋さんで、カフェとイベントスペースを併設。クラウチエンドは本をよく読む人が多い地域で、子どもにも本好きになってほしいと願う親たちが、子連れでこぞって店に足を運びます。ガラスのドアを開けると、パティ・スミスやボサノヴァが流れ、エスプレッソのいいにおいが漂い、大人にとってもおしゃれで心地よい空間です。

 

まるでケーキ屋さんのような店構え。気軽に入れる雰囲気です。

 

店の奥には、カフェカウンターを兼ねたレジと、イベントスペース。ふだんはここでコーヒーを飲んだり、絵本を試し読みしたりできます。

 

 週末やハーフターム(学期の半ばにある1週間の学校休暇)には、絵本作家やイラストレーターに会えるブックイベントが頻繁に開かれます。取材当日は土曜日。午前11時から1時間ほど、ロンドン在住の絵本作家ユーヴァル・ゾマー(Yuval Zommar)さんを呼んで、その新作『動物の大きな本(The Big Book of Beasts)』にちなんだワークショップが開かれました。

 

店内に張られていたイベントのポスター。

 

 書店のあちこちに、テーマの本がディスプレイされていて、店に集まった子どもたちはそれを手に取って見ながら、ユーヴァルさんの登場を待ちます。イベントスペースにじゅうたんが敷かれて、いよいよイベントがスタート。まずはユーヴァルさん自身が絵本をめくりながらダイジェスト的に紹介。その後、ワークシートが配られ、子どもたちは思い思いに動物の絵を制作していき、ユーヴァルさんは会場を周りながら子どもたちに話しかけます。最後は子どもたちが自分の絵をみんなの前で発表し、ユーヴァルさんがコメントする時間。それぞれの子どもをファーストネームで呼び、どんな子の作品にもいいところを見つけて批評していきます。堂々と説明付きで発表する子、恥ずかしそうにちらっと絵を見せる子とさまざまですが、どの子もていねいに作品を見てもらい、ほめてもらって、とてもうれしそう。終了後は、店で買ってもらった本を手に子どもたちがお行儀よく並んでサインをもらい、記念撮影をしていました。

 

絵本作家のユーヴァルさん、司会役の店員クリスティーナさんの話に耳を傾ける子どもたち。

 

ユーヴァルさんの自己紹介を兼ねて、前作の紹介も行われました。地面の下がどうなっているのかをイラストで紹介、地下へ地下へと長く伸びていく楽しい絵本です。

 

子どもたちのお絵かき用に配られたワークシート。動物の足跡だけが印刷されていて、ここに動物の絵を描き込んでいきます。

 

 絵本作家のユーヴァルさんは、名門ロイヤルカレッジオブアート(RCA)を修了後、広告代理店勤務のクリエイティブ・ディレクターを経て、今ではイギリスで最も人気のある絵本作家です。初めての日本語訳作品となる『ちいさな虫の大きな本』(東京書籍)が、日本で発売されたばかり。ピクルド・ペッパーが大のお気に入りで、いつもこの店でイベントを開くのを楽しみにしていると言います。「ここは店長や店員さんによるキュレーションのおかげで、面白くて質のいい本がそろっている。お客さんが求めるものを熟知し、イベントを積極的に開く。地元コミュニティーに溶け込んだ理想の街の本屋さんです」と絶賛。

 今回のイベントも、「作家の僕も子どもたちと同じくらい楽しんだ」と振り返ります。「特に、本をヒントにして自分で絵を描いてもらうと、どの子も違った個性のある作品を見せてくれて、うれしいものです」。子どもたちが床に座れることによって、「リラックスしていると同時にクリエイティブな雰囲気」が生まれるとか。イベントは、自分の作品の宣伝につながるだけでなく、「子どもがまだ小さいうちに、楽しい雰囲気で本の世界に親しませてあげるための理想的な方法」と考えています。「さらには、そんな体験によって、子どもたちが自分自身の創造性と想像力を高められたら最高。僕の絵本を読んで育った子が、未来の科学者、アーティスト、あるいは先生になるかもしれません」

 

それぞれの子どもたちの作品を丁寧に品評していくユーヴァルさん。

 

 

 創始者で店主のスティーヴン・プライスさんは43歳。店の近くに暮らしていて、11歳の長女を筆頭に、9歳の長男と、2歳の次女のいるお父さんです。大学卒業後、バーミンガムのディロンズ(かつてイギリスにあった大手書店チェーン)に就職。その後、ウォーターストーンズのロンドン・ゴウワーストリート支店で書店員を務めた後、大学図書館の司書、子ども向けの図書情報誌の編集者、政府機関への勤務などを経て、2012年、長男が小学生になったのを機に、それまでボランティアをしていた妻と一緒に店を立ち上げました。当時はアマゾンが本のシェアを伸ばし続けていて、近所にあった書店が店を閉じたばかりでしたが、「子どもが多い地域で、子ども向けの書店のニーズは必ずある」との確信があったと言います。

 

店主のスティーヴンさん。子どものころ大好きだったアステリクスの本は、レジわきのコーナーにさりげなく常備しています。

 

 店名の由来は、「ピーター・パイパーは1ペックの唐辛子ピクルス(ピクルドペッパー)をつまんだ」という英語の早口言葉。「マザーグースのうた」に入っていて、英語圏の子どもたちに広く親しまれているナンセンス詩の一節です。当初はこのほか「ストーリー・テラーズ」などの候補が挙がったそうですが、「耳に残りやすく、楽しく、流行に左右されず、クラウチエンドという土地柄にも限定されない店名にしたい」という願いから、結局この店名が選ばれました。すぐに、店主の知り合いのお母さんが、ジャガイモで唐辛子ピクルスをあしらった店のロゴを制作してくれて、「やっぱりこの店名しかない」と思ったそうです。

 

子どもたち自身が表紙を見て、手に取って選びやすいように工夫された絵本のディスプレー

 

 そして、店を開く際に決めたポリシーが、地元の幼稚園や学校との連携と、さまざまなイベントやアクティビティーを通して、地域の子どもたちの読書生活を応援することでした。その後、政府の予算削減によって地域の図書館が次々と閉鎖されていく中で、子どもたちを本好きに育てるうえでの街の本屋さんの役割はますます重視されるようになりました。

 

日本の絵本作家の作品も。

 

 ゼロ歳児~12歳児が主なターゲットで、中でも一番良く本を買うのは、未就学児(イギリスの小学校は4歳入学なので、ゼロ歳児~4歳)とその家族だとか。それから、本を自分で読み始める5~9歳児向けの幼年童話(ヤンガー・フィクションyounger fiction)の需要も大きいそうです。

 

小学生向け読み物のコーナー。難易度順に配列されています。

 

 新刊書の仕入れは、主な出版社なら各社の販売担当者とのミーティングを行い、中小出版社に関しては大手ホールセーラー2社の紹介を受けて、本を選んでいます。「開店から5年経って、お客さんの好む本のデータベースができてきました」とスティーヴンさん。「マスマーケットの主流から外れていても、真に良質な本。アマゾンで安く手に入ることはなく、ウォーターストーンズやドーントブックスといった有名書店では目に付かないような本が好まれます。ピックルド・ペッパーは、お客さんたちのおかげで独自の価値観を築き、今日の形になったのです」。できるだけたくさんの本を読み、自信をもって勧められる本を置くように努めています。

 

それぞれ気になる本をチェックする親子連れ。

 

 店では地域にある数多くの幼稚園や学校向けに、教室や図書室に置く本の選書を行っています。クラウチエンドから少し離れた貧しい地区にある公立の小学校の場合、学校給食の無料提供を受けている低所得世帯の子どもの数に応じて、政府から学校に支援金(pupil premium)が提供されるため、その予算を利用して1校あたり週に10~20冊ほどの本を店から買い入れます。イギリスで定められている教育課程や特定の学習内容にあった本を推薦することもあります。教育機関には10%の割引を行い、営業時間外に学校の担当者と面談してニーズに合ったサービスを提供します。子ども向けの本に関する知識を総動員し、店に置いている本だけではなく、出版社の幅広いタイトルの中から適切な本を見つけ出します。さらに、毎年3月の「ワールド・ブック・デー」などのイベントでは、学校に招く作家やイラストレーターを推薦するほか、イベントでの売り上げの10%は店で使えるバウチャーの形で還元します。

 

赤ちゃん向けの絵本も充実。店に通い慣れた年上の子は、自分で本を選びます。

 

 また、幼稚園や小学校のクラス単位で、ピクルド・ペッパー店内のガイドツアーも開催。店員による読み聞かせのほか、教室に置く本選びを子どもたち自身が行ったり、本屋さんの仕事の舞台裏を学んだり、本と本屋さんに親しんでもらうためのさまざまな試みを行っています。さらには、新刊書のレビューを小学生が書いて店のブログに掲載することを条件に、学校に本を無償で提供するプロジェクトも進行中です。

 一方、店内では週末のイベントのほか、ふだんの平日もイベントスペースを活用しています。午前中は乳幼児向けのアクティビティー。英語の絵本の読み聞かせは、水曜日の9:45と10:00の2回行われます。また火曜日はフランス語教室で、親子で一緒にフランス語の歌を歌ったり、言葉遊びをしたり。木曜日はスペイン語教室で、スペイン語圏の文化を学べる遊びをします。近くにはフランス人やスペイン人も多く住んでいるので、母国語で会話をしたい外国人や、小さな子どものいるお母さんたちの交流の場にもなっています。

 

カウンターの上の黒板には、イベントスケジュールとカフェのメニューが書かれています。

 

 午後は、放課後の小学生の中学年から高学年向けに読書会を行っています。1週おきの月曜日午後4時から45分間の開催で、課題図書や、前回からその日までの間に読んだ本について、10人~15人ほどで話し合います。人気作家がゲスト出演することもあり、先日はイギリスでさまざまな児童文学賞にノミネートされている冒険小説「コグハート(Cogheart)」シリーズの著者、ピーター・バンズル(Peter Bunzl)さんが来場して盛り上がりました。また、プロのイラストレーターを講師に招いての「ヤング・イラストレーターズ・ワークショップ」と題された教室は学期中全12回、毎週水曜日の4時から45分間開かれています。シェーディング、デッサン、コラージュなどの手法を学んでいき、最後は家族やお友達を招いて作品展が開かれます。やはり10人ほどの子どもたちが集まるそうです。

 さらには、店内のイベントスペースを借り切って、本をテーマにしたバースデーパーティーも開催。「海賊と妖精」「海の中の世界」「帽子屋のお茶会」「グラファロ(Gruffalo、イギリスで人気の絵本キャラクター)」などさまざまなテーマからひとつ、子どもの希望にそったものを選んで、店員さんがインストラクターとなって読み聞かせと工作を行います。

 毎週行われているアクティビティーやレッスンの参加費は1回5~8ポンド。パーティー料金は1時間30分で195ポンドで、日曜日に2スロットを提供しています。こうしたイベントは店にとって貴重な収入源であるだけでなく、近隣の家族連れに店に親しんでもらい、本屋さんに来る習慣をつけてもらう機会になっています。イベントスペースはふだんカフェの席として開放されているので、週末や祝日には朝のコーヒーを飲みに来る家族連れも多く、午前中から店が活気づきます。

 

土曜日の朝、店内はお客さんの出入りが絶えません。

 

 

 スティーヴンさんは店の経営だけではなく、子どもの本の世界に精通したプロとしても積極的に活動しています。また、子どもの本を対象とした文学賞の審査員や、全国紙「ガーディアン」別刷りの書評も担当していて、膨大な本の原稿に目を通すことが、店のセレクトにも役立っています。業界向けセミナーの講師として、今日の出版状況について話すこともあります。イギリスの本の年間売り上げの3分の1は子どもの本が占めるとされ、多彩な児童書が書店に並んでいますが、「白人でお父さん・お母さんに子どもが2人か3人」の家族像を描いたものが大多数。そんなイギリスにあってスティーヴンさんが指摘する課題のひとつが、子どもの本に関してさまざまな既成概念や差別をなくすための新たな配慮が求められていることです。ロンドンは移民が多く、スティーヴンさん自身も、共同創始者である妻のアーミ(Urmi)さんはインド系。3人の子どもたちはイギリス人とインド人の血を引いています。多民族・多文化であるうえに、片親家庭や同性カップルが養子を育てている例が増え続け、家族の形も多様化しています。そうしたマイノリティーの家庭の親たちが、わが子の状況に近い本はないかと、店にアドバイスを求めてくることも少なくありません。

 

本のセレクトは「多様性」を反映するように心がけています。

 

 「さまざまな人種や民族、さらには男性と同じ力を持つ女性、同性の両親、里親が登場するような本を子どもに与えたいという声はとても多いのです。それに、自閉症やアスペルガーの子どもについての本はないかと聞かれることも珍しくありません。一般に、自分らしい個性を受け入れられるヒントになるような本が求められています。多様な本がもっと出版されない限り、子どもたちが読書そのものから遠ざかってしまうかもしれません」とスティーヴンさんは警告しています。

 マイノリティーの家族や子どもが登場する本を、店では積極的に扱っていますが、それらを特別な棚に置くことはありません。一般の本に交えてディスプレイしたり棚に置いたりしながら、スタッフ全員がそうした本について把握し、お客さんにアドバイスを求められればすぐに見つけ出せるようにしています。「差別をなくすためには、特別扱いをやめて融合を目指すべき。メインストリームの本に取り混ぜて置いておきます。それを、お客さん自身が見つけて気に入ってもらえるのが理想的だと考えています」。また、店内のイベントで取り上げたり、バースデーパーティーのテーマにする本として、候補に挙げたり。特に、学校に納める本を選ぶ際は、「生徒たちのコミュニティー全体を反映するような」ラインナップになるように配慮しています。

 

英語圏でも貴重な黒人が表紙の絵本もディスプレー。

 

 

 スティーヴンさんはそんな話をしながらも、店に入ってくるお客さんたちに常に気を配り、にこやかに、なおかつ押しつけがましくなく、「もしも必要でしたら気軽に声をかけてくださいね」とひとりひとりに話しかけます。「うちの店は小さいので、すぐにお客さんで満員になりますが、最近はすぐに、店員と会話を求めているかどうかが分かるようになってきました。5分ほど時間をつぶすために店に入ってくる人もいれば、自分でゆっくり本を眺めて決めたい人、具体的にアドバイスを求めてくる人もいて、それぞれ違った対応が求められる」とか。「実物を手に取って見られるのが本屋の魅力ですから、立ち読みは歓迎です」。週末の午前中は、「これから知り合いの子どもの誕生日パーティーに行くのでプレゼントを探している」というお客さんが多く訪れます。「1歳の子ならもう定番の絵本は持っているかもしれないので、新刊のなかから音の出る絵本はいかが」などと、子どもの年齢に応じてアドバイスします。「勧めた本が子どもに喜んでもらえたので」と言ってまた店に来てくれるお客さんが多く、そんなときはとりわけ達成感があるそうです。

 

絵本コーナーの脇に設けられた小さなおままごとコーナー。本の世界に自然に親しめるようなかわいい店内です。

 

 「アマゾンではスクリーン上の情報しかありませんし、電球や椅子と同列に本を扱っていて、図書館や本屋を訪れるのとは全く違う体験です。それに、最近はアマゾンと書店の店頭での価格差もかなり縮まっていて、ほとんどの本の価格差は1ポンド以下なので、お客さんたちがますます本屋さんに戻ってきているようです」。それでも、本屋として成功していくには、「常にアクティビティーを行い、ディスプレイを変えて、いつも楽しく新鮮な店であることが大切」と考えています。

 取材当日は、大手書店ウォーターストーンズの支店が、店から歩いて5分ほどの距離にオープン。事前にウォーターストーンズ社からは、「お宅の店と競合することのないよう、店内には子どもの本のセクションは設けない」と説明を受けていたそうですが、ふたを開けてみればショーウインドーにも子どもの本がたくさんディスプレイされています。ウォーターストーンズもアマゾン同様、人気の本の場合は大量仕入れによって値引き販売をしているので、独立系書店は価格では太刀打ちできません。そんな強力なライバル登場も、スティーヴンさんは冷静に受け止めます。「地域の人たちが本のことをいつも意識して暮らすようになるうえ、離れたところに住んでいる人たちには、クラウチエンドに来れば本屋めぐりができると認識するようになるでしょう。それはうちの店にとっても良いことですし、それに、うちの店にはうちにしかない魅力がありますから」と、決意のように話してくれました。

 

本は実物を手に取って見ることが大切という考えから、立ち読みも座り読みも歓迎。子どもたちは常連らしく、くつろいだ様子で本に没頭します。

 

 

 スティーヴンさんは、店に置く本を選ぶうえで、自分の子どもたちが好きな本も参考にしているそうです。奥様は自分が良いと考える本を与えたい方針だそうですが、スティーヴンさんは「本好きになってもらうことが最優先なので、自分で自由に本を選ぶ自由を与えたい」という考え方。「だから子どもたちは、図書館にも、他の書店にも積極的に連れて行きます。先日もフォイルズ(Foyles)のサウスバンク店で、娘が今はやりのプリンセス本をピックアップ。妻は顔をしかめていましたが、私はそれでいいと思っています」とのこと。「自由な読書を促すうえで、図書館はとても大切。親のお財布を気にすることなく、膨大な数の本と触れることができるのですから。僕自身も3歳くらいから、母親と一緒に図書館に通っていました。それでアステリクスの本に夢中になったのが、僕の読書人生のスタートでした。今では息子がアステリクス好きで、一緒に読んでいると、僕自身も子どもの頃の気持になれます」と、自分自身の体験を踏まえて語ります。本に親しむきっかけもいろいろあっていいという考えです。「テレビドラマや映画になった本はとてもよく売れますから、そうした影響は無視できません」

 

「これ全部買ってもらおう!」とうれしそうな男の子。

 

 こだわりのセレクトが人気の本屋さんを経営しているスティーヴンさんですが、自分の好みを子どもたちに押し付けるつもりはありません。揺るぐことのない信念は「読書が大切なのは、それがほかのどんな時間の過ごし方よりも、人間に幸せをもたらすから」ということ。「ある特定の本を読まなくてはならないという理由で、読書そのものから遠ざかってしまったら、人生が台無しになります。何を読むかは重要ではなく、読むことそのものが重要なのです」と力説します。「子どもたちは本来、本が大好き」と感じているスティーヴンさんの願いは、子どもたちに気軽に本に触れてもらい、本が好きな幸せな大人になってもらうこと。そんな店主の思いに支えられて、ピクルド・ペッパーでは本好きの子どもたちが数多く育っています。

 

 

[英国書店探訪 第7回 Pickled Pepper Books 了]

 

Pickled Pepper Books
10 Middle Lane, Crouch End, London N8 8PL
Tel 0203 632 0823
月~金 9:30~ 17:30 土 10 :00~18 :00 日 11:00~17:00
開店:2012年
店舗面積:50㎡
本の点数:3000冊


PROFILEプロフィール (50音順)

清水玲奈(しみず・れいな)

ジャーナリスト。東京大学大学院総合文化研究科修了(表象文化論)。ロンドンとパリを拠点に、執筆、翻訳、映像制作を行う。著書に『世界の夢の本屋さん2』『世界の夢の本屋さん3』『世界で最も美しい書店』『世界の美しい本屋さん』(いずれもエクスナレッジ)などがある。