気鋭のクリエイターを月替わりで起用し、本/読むこと/書くこと/編むことにまつわるグラフィック作品を展示する「DOTPLACE GALLERY」。2021年12月期の担当は、その淡さと鮮烈さの同居する美しい色面が印象的なイラストレーターのいえだゆきなさんです。言葉から立ち上がる風景が、読む人をどこへでも連れて行ってくれるような、読書のよろこびがじんわりと伝わる作品を描き下ろして頂きました。
いえだゆきなさんに聞きました
——どのようなイメージまたはコンセプトで今回の作品を制作されましたか。
小説家の土門蘭さんの
- それじゃまた 真冬のロシアで会いましょう 文庫を閉じてそれぞれ眠る
(土門蘭『100年後あなたもわたしもいない日に』)
という短歌からインスピレーションを得て制作しました。
本を読むということは、暖かい部屋の中にいながら、雪の降りつもる森や地球の裏側にまで行けてしまう行為だな、と思います。
——普段、作品制作の上で重視していることは何ですか。
photoshop、clipstudio、illustratorなどのデジタルツールを行き来しながら作成しています。
レイヤーを重ねて、自分でも思いがけない効果を生めると嬉しいです。
昔自分が経験した心を動かされたことの感覚を、配色や造形を通して表現したいと考えています。
——いえだゆきなさんにとって大切な本を1冊挙げるとしたら何ですか。
沢山あって選べないですが、『星の王子さま』はとても好きな本です。
作者のサン・テグジュペリにも興味を持ち、『夜間飛行』を読んで時代や生き様に憧れを抱きました。
最近、舞台版『星の王子さま』の背景に流れるイラストを描く機会があり、昔の自分に教えてあげたいなあと思いました。
——今後のご活動について何かございましたらどうぞ。
オリジナルワークをもっと充実させながら、クライアントワークも積極的に受けていきたいです。
よろしくお願いいたします。
[DOTPLACE GALLERY #087: いえだゆきな 了]
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