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清水玲奈 英国書店探訪

清水玲奈 英国書店探訪
第11回 Brick Lane Bookshop

 INK@84

写真:清水玲奈 イラスト:赤松かおり

 

第11回 Brick Lane Bookshop

 

 INK@84

 

 東ロンドンのブリック・レーンは、古くはレンガ職人の街だったことから「レンガ通り」を意味する名前がつきました。戦後はユダヤ系とバングラデシュ系移民が多く住み、かつては安いベーグル屋とカレー屋の通りとして知られていました。今ではカッティングエッジなブティックやビンテージ家具店が集まり、ファッションに敏感な若者たちが集うおしゃれなショッピングストリートとして有名です。

 この通りの真ん中にあるのが、70年代創業のブリック・レーン書店です。古典から新刊まで個性的なセレクトと、手頃な価格のペーパーバックの充実ぶりで人気を集めています。

 

常に庶民の味方であり続けた歴史を誇る本屋さんは、店頭に置かれたセール本の箱が目印です。

 

奥に細長い店内は、木を生かしたシンプルなつくりで、いくらでも長居したくなる雰囲気。

 

 店の歴史は、1970年代、移民と貧困層が多く暮らし、荒廃した地区として知られていたタワーハムレッツ区の住民たちが、アート・プロジェクト、タワーハムレッツ・アート・プロジェクト(THAP)をスタートしたことにさかのぼります。その背景には、地元の小学校教師兼ライターの活動がありました。

 1970年、タワーハムレッツ区のサー・ジョーン・キャス小学校で、クリス・サール(Chris Searle)先生が、東ロンドンでの生活についての詩を子どもたちに書かせました。詩の中には、親の虐待やスラム化した住宅事情など、子どもたちを取り巻く深刻な状況が浮き彫りになっていました。クリス先生は、これらの詩を集めたアンソロジー『ステップニーの言葉(Stepney Words)』をまとめ、周辺の様子を撮影した写真入りで印刷して自費出版。これが大衆紙「サン」に見開き2ページで取り上げられました。見出しは、「イーストエンドの子どもたちの驚くべき世界」。

 この詩集を出版したことでクリス先生は小学校を解雇されますが、おかげで当時「イギリスで最も有名な教師」と呼ばれるまでになります。1973年には後の首相、マーガレット・サッチャー教育相(当時)の命により復職。元生徒たちとともに、アマチュア作家グループ「地下作家たち(The Basement Writers)」を設立し、地元の劇場で詩集の朗読会を開き、小冊子を売るようになりました。

 クリス先生はその後、教育者・編集者・ライターとして活動を続け、現在もジャズやクリケットなどについてのコラムを新聞に寄稿しています。「地下作家たち」のグループからはほかにもライターが輩出し、手記がテレビ番組化されるなど、東ロンドンの作家たちは全国的に注目されるようになりました。

 

ブリック・レーンを訪れた観光客らしき若者たちも、ロンドンの本のコーナーを熱心に見ていました。

 

 こうした土壌から、東ロンドンのクリエイティブなプロジェクトとしてTHAPが誕生し、出版物、映画、ビデオ、壁画、演劇、イベントなど、さまざまな作品を制作する地元民たちが集うコミュニティーとして活動を開始します。やがて、タワーハムレッツ区には書店が1軒もなかったことから、「地域に書店を開く」という構想も生まれました。THAPはホワイトチャペル・マーケットの一角で毎週土曜日、「ステップニー書店(Stepney Books)」と命名された本の屋台を設け、これが現在のブリック・レーン書店の原形となりました。

 売っていたのは、出版されることのなかったペンギンブックスの試し刷り版と、東ロンドンの歴史を扱うTHAP発行の刊行物でした。当時、ステップニー書店のボランティア店員がホワイトチャペル・マーケットの露天商、ジム・ウォルヴェリッジ(Jim Wolveridge)と意気投合し、1920年代~30年代の回想記が出版されたのを皮切りに、東ロンドンの庶民たちの暮らしをドキュメントした本が次々と出ました。

 THAPはタワーハムレッツ区のコンペで優勝したことから助成金1万ポンドを得て、翌年には最初の1年間の活動の成果を発表する展覧会「ビッグ・ショー」を開催しました。会場となった美術館ホワイトチャペル・アート・ギャラリーは、東ロンドンを代表する歴史ある美術館で、ピカソからフリーダ・カーロまで国際的な有名アーティストの展覧会で知られています。そこで1か月にわたり、地元のアマチュアの詩人、映画作家、ロックグループ、それに子どもたちの作品を集め、即興的なパフォーマンスもありというゲリラ的なイベントを開き、大きな話題を呼びました。

 この展覧会場に登場したのが、上記ステップニー書店にヒントを得て、地元のアングラ作家たちが設けた同人誌の屋台です。ガリ版刷りで、あるいは地元の学校のコピー機を借りて作った同人誌の売れ行きも良かったことが、常設の書店が生まれるきっかけとなりました。

 

おしゃれなロンドンの絵はがきや、本に添えて贈りたいグリーティングカードが、店に彩りを添えます。

 

 こうして、1977年4月、THAP書店(THAP Bookshop)が誕生。場所は、地元の市場ワットニー・マーケットの一角で、THAPの事務所とワーキングスペースのあった「ネズミの走り回る廃墟のようなビル」の1階でした。地域のお客さんの中には「本屋さんに入るのは初めて」という人も多く、図書館との違いを分かってもらうのに一苦労だったとか。万引きの被害も少なくありませんでしたが、それでも地元の作家や出版社の本、コミュニティー新聞を扱い、赤字を出してでも世界中のどんな本でも取り寄せるというサービスの良さのおかげもあって利用者を徐々に増やし、書店は存続しました。

 THAP出版(THAP Publications)、後にイーストサイド(Eastside)の出版社名で、独自の出版も続け、1920年代から30年代にかけて活躍した地元の元ボクサー、スティーブン・ジョニー・ヒックス(Stephen ‘Johnny’ Hicks)の自伝『幸運のためのボクシング(Sparring for Luck)』はベストセラーになりました。東ロンドンの地元民たちによるこうした本は、店頭でもとりわけ多くそろえていました。

 さらにアマチュア作家たちのグループを主催するのも、創成期以来の店の伝統です。1970年代のTHAPのリーフレットには、こんな言葉が書かれています。「書くという体験は、偉大でなくてもいいし、孤独でなくてもいいし、自己充足的でなくてもいい。プロジェクトの意義は、ほかの人たちの作品を一緒に読み、語り合うことにある」

 1970年代末には、音楽会社のサポートを受けて、パンクのバッジやレコードが買える場所としても人気を呼びました。

 同じ頃、イギリス全国のコミュニティー型出版社が共同で、NPO団体、「労働者作家とコミュニティー出版社連盟」(The Federation of Worker Writers and Community Publishers、FWWCP)を設立。そのねらいは、出版界のメインストリームから排除されがちな労働者階級の作家グループとコミュニティー型出版社が結束し、コミュニティーに自分たちの作品を知ってもらう機会を設けることでした。ステップニー書店も、初期からその活動に参加し、さまざまな本や小冊子を出版。店に置くだけではなく、地元のパブやコミュニティーセンターで開かれる朗読会、複数の作家グループのミーティングでも販売しました。そうして世に出た作家の中には、制服縫製工場の女工で詩人のサリー・フラッド(Sally Flood)や、印刷工の父と学食のウエイトレスの母のもと、東ロンドンのすさんだ公営住宅で育った脚本家のトニー・マーチャント(Tony Marchant)らがいました。第二次世界大戦後のバングラデシュ系移民を扱った本『7つの海と13の川を越えて(Across Seven Seas and Thirteen Rivers)』(1987年)など、東ロンドンの近代史に関する本も数多く出版されました。また、毎年開かれるFWWCPのイベントでは、THAPがミニバスをチャーターして全国のアマチュア作家同士の交流に参加しました。

 

新しく届いた本を熱心に眺める店員さんたち。

 

大きなショーウインドウから、午後の光がさんさんとふりそそぎます。

 

 書店業も発展が続きます。1980年には、ホワイトチャペル駅の向かい、ロイヤルロンドン病院の近くに拡大移転し、移民の多い地区であることから、外国語の書籍にも力を入れるようになりました。ベンガル語を中心に、ポーランド語、アラビア語、ソマリ語、ベトナム語、中国語、それに日本語の本も置いていたそうです。

 駅前になりアクセスが良くなったとはいえ、東ロンドンの公共交通機関は未発達で、タワーハムレッツ区の住民でも店に来づらい人たちもいました。そんな状況に配慮し、「店の外に出て、コミュニティーに本を届ける」という活動にも力を入れるようになりました。学校のイベント、野外フェスティバルなどにストールを出して本を売るために、アウトリーチ専門の店員がいたといいます。

 1994年にはイーストサイド・ブックス(Eastside Books)と改名。店舗の面積を広げ、朗読会や本のローンチイベントはさらに盛んに行われるようになりました。作家・映画監督ハニフ・クレイシや、日本でも人気の作家ジャネット・ウィンターソンも出演し、ロンドンでも有数の重要な書店と位置付けられるようになります。その頃には、東ロンドンでも新商業地区カナリーウォーフに大手チェーン、ウォーターストーンズの支店が営業し、またリバプール・ストリート駅にはやはり大手チェーンのWHスミスもオープンしていましたが、個性的な独立系書店として、イーストサイド・ブックスは地元の人たちの支持を得るようになります。

 2004年には店の賃貸契約の終了を受けて、現在のブリック・レーンに移転、ブリック・レーン書店(Brick Lane Bookshop)と名前を変えました。ウエールズ出身のミステリー小説家サラ・ウォーターズ、アメリカ人ミステリー小説家ジェイムズ・サリス、作家・映画監督イエイン・シンクレアらをはじめ、数多くの有名人を含む作家たちがイベントを行ってきました。 

 

地元の常連さんと、レジで会話がはずみます。

 

 店のウェブサイトには、「私たちの店の歴史は、コミュニティーの歴史にほかなりません。活気あるローカルなネットワークから生まれ、革新的な活動やアイデアの刺激を受けて、それらを推進力として、予期していなかった展開を歩んできました」とあります。 

 創業当時からのモットーは、「東ロンドンの大人と子どもに、本を届けること」。書店は、コミュニティー活動の一環という起源を今も大切にしながら、新しいイーストエンドの象徴ともいえる存在になっています。THAP書店の創成期から運営チームに加わり、店の運営を続けているのが、オーナー店長のデニーズ・ジョーンズさんです。

 

若い店員たちとともに、自らレジに立つことの多い店長のデニーズさん。

 

 デニーズさんは、70年代のステップニー書店時代から出版にもかかわってきました。「ノウハウもないまま、やり方を模索しながらやってきました」とデニーズさんは振り返ります。「コンピュータがない時代。レイアウトやデザイン、貼り込みなどの技術や、印刷工場への発注の仕方なども一から覚えなくてはなりませんでした」。書店の運営も、ほとんどボランティア状態のスタッフたちの共同作業で、地元自治体などの資金を得ながら続けられていましたが、赤字状態が続いていたと言います。70年代当時の数人の共同経営者は1980年以降、別の道を歩むようになりました。

 

 デニーズさんは、「大きなリスクを背負うことを承知で」店の経営権を仲間からすべて買い取り、唯一の経営者として店を存続させるだけでなく、ビジネスとして立て直し、「アナーキーで、自由主義的で、アーティーな本屋」としての存在感を高めてきました。

 その間、出版業界には大きな2つの変動が訪れ、街の本屋さんは冬の時代を迎えました。

 ひとつめの変動は、本の定価販売を義務付けるネットブックアグリーメントが1997年に廃止された前後から、大手チェーンやスーパーマーケットが本の割引販売を始めたことです。価格競争に敗れ、中小の書店が次々と閉店しました。ハリー・ポッターの本などのベストセラーの大量仕入れができる大手チェーンやスーパーマーケットは、安価で仕入れて大幅に値引きして売るので、お客は自然とそちらに流れていったのです。

 デニーズさんの店も、以前は地元自治体の助成金をもらって運営し、政治的な主張を掲げ、ゲイ・レズビアンや有色人種の権利を主張する「コミュニティー型書店」でしたが、これでは立ち行かなくなりました。そこで、それまで蓄積したノウハウを生かし、より幅広いお客さんをターゲットにする「独立系書店」に路線変更し、そのおかげで生き残れたとデニーズさんは振り返ります。

 その後訪れたもうひとつの変動は、1998年のイギリスでのアマゾンの書籍販売開始、そして2007年の電子書籍キンドルの登場です。しかし、その頃まで残っていたお客さんたちは、「アマゾンで買い物はしたくない。独立系書店を支えたい」という人たちだったため、店としては特に打撃を感じなかったといいます。

 さらにごく最近の流れとして、若者を中心とした電子書籍離れを実感しているとか。「旅行に持って行くのに、キンドルよりもペーパーバックの方が軽い。お風呂で読むのにも、本なら濡れても故障の心配はありません」とデニーズさんは解説します。「それに、本屋の店頭で、“目が合った”と感じた本を買って帰り、それを読むという経験には、いわば官能的ともいえる魅力がある。その事実に、多くの人が気づきつつあるようです」

 

ロンドン本の充実ぶりは他に類を見ません。『ロンドナーのためのロンドン』、『ロンドン地下鉄のトリビア』などの本が見つかります。

 

 デニーズさんは、現在の店の運営について、5人の書店員さん、そしてお客さんたちとのチームワークであることを強調します。本のセレクトも、デニーズさんは東ロンドン関連と子どもの本を主に担当していますが、他の店員さんの得意分野を尊重し、たとえばアートの本は本業がアーティストのケイト・エリスさんに、音楽の本はミュージシャンのカリーナ・ディミトローヴァさんにまかせているとか。また、かつて大型書店で店員を務めていたグレン・コリンズさんは、アメリカの出版社の本の担当だそうです。

 

ロンドンのマーケットや隠れた名所、カフェ、郊外への旅など、さまざまなテーマのガイドブックの数々。

 

 とはいえ、店としてセレクトの基本方針ははっきりしています。「人種や性別による差別が見られると判断すれば、そうした本は、うちでは置きません」。その結果、通常の書店で幅広く置かれているような小説や児童書をあえて扱わないケースもあるそうです。

 

英語文学の古典のペーパーバックは、常に店の売れ筋です。

 

 店の顧客には、古くからの常連さんもいます。いつも英国紳士風の装いがトレードマークの二人組アーティスト、ギルバート・アンド・ジョージも時折出没するそうです。

 しかし、東ロンドンがトレンディーな地区になったことで、全体的な客層は70年代、80年代とは様変わりしました。デニーズさんが常にオープンな店づくりを心掛けているおかげもあり、ブリック・レーン書店となった2004年前後からは、周辺に住むフランスやイタリア、スペイン出身のアーティストやクリエイターたちも目立って店にやってくるようになりました。そうした地域の人たちに加え、ロンドン全域からブリック・レーンにやってくる学生や若者、作家、それにイギリス内外の旅行客も少なくありません。

「ペンギンブックスの表紙をデザインしたブックトートは飛ぶように売れますし、韓国のショップから、30点ずつデザイン違いで郵送してほしいという依頼を受けたこともあります」とデニーズさん。売り上げを確保するため、店のイメージにふさわしいブックトートのほかロンドン関連のポスターやカード、包装紙なども充実させています。

 

ペンギン・ブックスの表紙をデザインしたトート。ジャック・ケルアック『路上』、バーナード・ショー『人と超人』など、本の題名で個性が主張できそうです。

 

 本の売れ筋は、ストリートアートやロンドンに関する本、それから、小説です。哲学や伝記をはじめとするノンフィクション、ガイドブックや料理書も人気があります。小説に関しては、品ぞろえが豊富な5ポンド均一のセールコーナーが常連たちの間で根強い人気です。ペーパーバックは重版すると表紙が変わることが多く、以前の版の表紙の本を安く仕入れているおかげで、このセールコーナーが維持できているとか。「優れた文学作品をできるだけ安価で提供する」というポリシーは、マーケットの屋台でペンギンブックスの試し刷り版を売っていた頃から変わりません。

 

アンティークのコーヒーテーブルを使ったディスプレイ。恋愛論と、妊娠出産の手引きが並んでいます。

 

 そして、地域の子どもたちに本を届けることも、創業時から変わらない大切な使命です。地元の小学校には今も移民や貧困層の子どもが多く通うため、そうした小学校とのコラボレーションに力を入れています。先生に連れられて子どもたちが店を訪れる「書店訪問」の時間を設けているほか、学校で成績やふるまいが評価されて賞を獲った子どもが、ごほうびの本を店で選べるシステムもあります。また、学校図書館の司書とのミーティングを経て、新たな蔵書を納入することもよくあります。特に、ロンドンや東ロンドンについての本が充実しているのが重宝がられるそうです。タワーハムレッツ区の学校図書館のコンクールで、「夏休み中に20冊の本を読もう」という試みがあり、店は公式書店として本の販売を担当しています。著者の学校訪問のオーガナイズも行い、「どうしてこの本を書こうと思ったのですか」などと素朴な疑問をぶつける子どもたちとの質疑応答は、とりわけ盛り上がるそうです。

 店では5歳までの子ども向けの絵本については定番を置くようにしています。おちゃめな怪物グラファロが登場する『もりでいちばんつよいのは』などのジュリア・ドナルドソン作・アクセル・シェフラー絵のコンビの作品はコンスタントに売れているとか。小学生以上向けの読み物は、映画化された『戦火の馬』などで日本でも知られるマイケル・モーパーゴをはじめ、取引のある学校図書館の司書の意見も取り入れて、子どもたちに人気のある作者の作品をシリーズでそろえています。そのほか、宇宙や動物をテーマとしたノンフィクションの本も、たくさん置いています。「いつも店に出入りして立ち読みを楽しんでいく子たちも少なくありません。こうした子が読書好きに育っていく過程を見守れるのは幸せなことです」とデニーズさん。

 

やはり大人気のJ・K・ローリングのコーナー。

 

 現在も、新たなお客さんは増え続けています。「初めて店を訪れる人には、最近アマゾンでしか本を買っていなかったという人も少なくありません。居心地がよい本屋であること、そして個性的なセレクトに感激し、オンラインにはない実店舗の本屋の魅力を再発見してくれるようです」

 イベントの際は、店内の家具をベランダに移動させて場所を作ります。来場者が70人も集まることもあるそうです。つい最近は、東ロンドンの歴史の生き証人ともいえる高齢女性たちのインタビュー集が出版されたのを記念して、インタビューを受けた女性たちが20人集まって鼎談するイベントを実現したそうです。

 成功する独立系書店になれたのは、「お客さんを思う親切な姿勢、本のセレクトの良さ、イベントの主催」という3つの柱があったおかげだと、デニーズさんは分析します。「参加型のアート・プロジェクトが起源であるだけに、イベントの質の高さには今も昔も評判があります」と早口で語る中に、静かな誇りをにじませました。

 

 

 

[英国書店探訪 第11回 Brick Lane Bookshop 了]

 

Brick Lane Bookshop
166 Brick Lane, London E1 6RU
Tel: 0207 247 0216
www.bricklanebookshop.org
毎日 11:00~18:30
開店:1977年4月(THAP 書店として創業)
店舗面積:72㎡
本の点数:2,600タイトル


PROFILEプロフィール (50音順)

清水玲奈(しみず・れいな)

東京大学大学院総合文化研究科修了(表象文化論)。1996年渡英。通算10数年のパリ暮らしを経て、現在はロンドンを拠点に取材執筆・翻訳・映像制作を行う。著書に『世界の夢の本屋さん2・3』『世界で最も美しい書店』『世界の美しい本屋さん』など。作家 辻仁成主宰のウェブ媒体 「Design Stories」でエッセイ連載中。