セルフパブリッシングの現在に迫るべく、Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングなどで注目の作家にメールインタビューしていくシリーズ。第7回は『大きな樹の下で (晴海まどか短編集)』を出版されたセルフパブリッシング作家、晴海まどかさんです。
作品紹介
『大きな樹の下で (晴海まどか短編集)』は、Amazon Kindleで立ち読みできます。
晴海まどか短編集第1弾、ホラー編!
巨大な樹に飲みこまれつつある世界。
いなくなった弟を探していたユクシが出会ったのは、不思議な少女だった――
表題作『大きな樹の下で』、リレー小説と現実が交差する『Legs』など、気軽に読めるホラー作品4編を収録した短編集。
著者プロフィール
1983年生まれの乙女座のA型。千葉県育ち東京都在住の文章クリエイター。7年強、テクニカルライターとして会社勤めをし、2013年8月からフリーに。三度の飯より書くのが好きな書く方の活字中毒。ミステリーでも青春ものでもホラーでも、書きたいものはなんでも書く雑食系。どちらかといえばYAよりの作風多め。小説を書くのはライフワークである。こよなく愛するのはムーミンと椎名林檎。趣味は音楽活動。
【月1冊ペースで新刊出しちゃおう計画進行中!】
★直近の新刊予定★
2013年 8月 『戦う僕らのRGB』後日談的ショートストーリー集
2013年 9月 青春学園ミステリー(長編:上下巻)
2013年10月 部活動もの青春ドラマ(長編)
2013年11月 『戦う僕らのRGB』Part2(長編:もうすぐ脱稿)
2013年12月 『戦う僕らのRGB』Part3(完結編)(長編:鋭意執筆予定)
2014年 1月 アーティスト・いけぶんさんとのコラボ企画(中編2作:企画始動中)
2014年 2月 『わーくしょっぷ vol.2』(アンソロジー短編集)
※2014年3月以降も出しますよ!
★Kindle本レビューサイト「きんどるどうでしょう」様のインタビューを受けました。
★ブログ「原点回帰ーRunning possibleー」
★以下のサイトでも短編小説を無料で公開しています(内容は同じ)。
◇FC2小説(閲覧形式:Webブラウザ)
◇パブー(閲覧形式:Web+横書きPDF)
◇forkN(閲覧形式:Web+縦書きPDF)
★コンタクト(感想、誤植連絡、執筆依頼など)
ブログのメッセージフォームかTwitter(@harumima)でリプライください。
メールインタビュー
Q01・性別やご年齢、お住まいの場所、ご所属やご職業とそこで何をされているかなど、お話いただける範囲で構いませんので、晴海まどかさんについてお教えください。
東京ディズニーランドと同い年の女です。千葉県育ちの東京都在住。
7年強、会社勤めでテクニカルライターという技術文書専門のライターをしていましたが、この8月からフリーなライターになる予定です。
あと、プライベートでは社会人楽団「エルシエナ・マンドリンアンサンブル」で指揮者とコントラバス奏者を担当しています。
Q02・そんな晴海まどかさんが、なぜ『大きな樹の下で (晴海まどか短編集)』を執筆されるに至ったのか、その動機をお教えください。
これまでもKindleストアで長編小説を6冊ほど出版していたのですが、短編集もそのうち出そうと密かに書き溜めていました。
そんな折り、KDP風立ちぬ杯に参加しようよとTwitterでやりとりしている方々に声をかけていただき、急きょ短編集を出版する運びとなりました。
作品そのものの執筆動機としては、普段は明るく読後感爽やかなヤング・アダルト風作品を多く書いているので、ホラーテイストの作品も書いてみようと思ったのがきっかけです。この作家はミステリーが得意、など特定のジャンルに縛られたくないという思いが常々あり、色んなジャンルの作品にチャレンジしていきたいと考えています。実際、ホラーは書いてみて楽しくなってきたので、今後も機会があれば書きたいと思っています。
Q03・『大きな樹の下で (晴海まどか短編集)』の執筆には、どのくらいの期間と時間がかかっていますか。
今回は4つの短編を収録していますが、『大きな樹の下で』『Legs』は今年の頭に執筆したものです。それぞれ執筆に4時間程度、推敲はゆっくりだらだら2週間程度かかっています。基本的に脱稿までは速く、推敲はその倍以上の時間をかけるスタイルで執筆しています。書くだけなら1時間で原稿用紙10枚分くらいは書けます。
一方、残りの『冷たい夏の手』『海を見る』は7/17深夜に風立ちぬ杯に出ようよと声をかけられてから書き下ろしたので、構想を練るのを含め、2作合わせて完成まで4〜5時間といった具合です。プライベートも忙しい時期だったので若干の睡眠不足に陥りましたが、無事完成してよかったです。
Q04・『大きな樹の下で (晴海まどか短編集)』の執筆は、一日のうちのどのような時間に、どのような環境で行われましたか。
アフターファイブに主に自宅で執筆しました。執筆環境はWindowsでWordを使っています。今回は急な話でもあったので、隙間時間にインターネットカフェにも行きました。個室空間でドリンク飲み放題のネカフェは執筆に最適です。
普段の時間確保のコツとしては、Excelでタスク管理表を作って進捗管理をしています。新作の執筆、一つ前に脱稿した作品の推敲、KDP本の出版準備、次作のプロット作成などを常に並行して実施しているので、作業管理しないと自分でも何やってたんだかわからなくなることがよくあります。
Q05・『大きな樹の下で (晴海まどか短編集)』をセルフパブリッシングするにあたって、参考にされた本やサイトなどがありましたらお教えください。
今回の短編集に限っての話ではないですが、KDPで本を出すに当たっては「忌川タツヤのKindleは友達さ!」や、「きんどるどうでしょう」 は参考にしています。
Q06・晴海まどかさんが作家として、影響を受けていると感じる作家や作品がありましたら、お教えください。
中学時代に読んだ新井素子さんの作品群です。『グリーン・レクイエム』、『ネプチューン』(『窓のあちら側』に収録作品)を読んで衝撃を受け、口語体の独特の文体にどっぷり感情移入して夢中で読み漁りました。こういう風に、誰かを夢中にさせる作品を書きたい!と強く思うようになったのは新井素子さんの作品に出会ってからだと思います。
また、初めて読んだときにその文体にすごく惹かれたのが朝倉かすみさんの『田村はまだか』。会話の使い方が巧みで、朝倉かすみさんの作品もかなりの数を読みました。文体としてはもしかしたら影響を受けている面があるかもしれません。
あと小説ではないですが、椎名林檎さんの音楽が大好きです。その音楽もさることながら、歌詞における韻を踏んだ単語や言葉の選び方が非常に面白く、15年ファンをやっていますがいまだに飽きません。いつも聴きながら執筆しています。
Q07・晴海まどかさんが、最近注目されているものやことをお教えください。
フィンランド。
ムーミンが好きすぎて昨年とうとうフィンランドに上陸したのですが、見事にフィンランドそのものにはまりました。
ムーミンワールドやムーミン博物館は言わずもがなですが、気候や食文化、北欧デザインなどなど、ムーミンに限らず面白く、癒し効果抜群の国です。そういったもろもろの事柄がムーミンの世界観にも活きているとわかってさらに痺れました。またフィンランドに行きたいです。
ムーミン好きがフィンランドを満喫するためのガイド、みたいな本もそのうちセルフパブリッシングしたいと目論んでいます。
Q08・当サイトでは「これからの編集者」という連載を通じて、セルフパブリッシング時代の編集者の役割について考えています。作家としての晴海まどかさんにもし、新たにサポートしたいという編集者が現れたとしたら、その人に期待したい役割は何ですか。
プロモーションに関する部分をサポートしてほしいです。個人出版の場合、世間的には無名でもありますし、プロモーションが難しいと感じています。一人でも多くの方の目に留まるにはどうしたらよいのかを常々考えています。
また、小説を使って何か面白い企画ができないか、ということもよく考えています。現代アーティストの方とのコラボや複数インディーズ作家でのアンソロジー短編集の出版など、自分でも色々と企画はしていますが、そういう企画を一緒に考えていただけたら嬉しいです。
Q09・『大きな樹の下で (晴海まどか短編集)』がもし、紙の本になって書店に並ぶとしたら、この本の隣に並べて欲しいというような本を、3冊挙げてください。
『大きな樹の下で』が短編集なので、短編集を中心にセレクトしてみました。
◇新井素子『グリーンレクイエム』
初めて読んだ新井素子さんの短編集。前述のとおり思い出の1作でもあります。
◇角田光代他『きみが見つける物語 ティーンエイジ・レボリューション』
私が好んで読んでいるYA作家さんの作品が詰まったアンソロジー短編集。すごくお得な1冊です。
そして短編集ではないのですが、もう1冊(あれ、2冊?)。
◇長野まゆみ『テレヴィジョン・シティ(上/下)』
年に必ず1回は読み返す、最も好きな作品の一つです。この作品の隣に自著が並んだら昇天するかもしれません。
Q10・次の作品の構想がありましたら、お話いただける範囲でお教えください。
短編を含めれば恒常的に月2作以上書いているので、次の作品の構想は両手に余るくらいあります。世の中はネタの宝庫です。短編集もまた出したいと思っています。次はホラーではなく別のテーマで。
Kindleストアでリリース予定の作品について言えば、年内に以下5作品は出す予定です。
・既刊『戦う僕らのRGB(上)』『戦う僕らのRGB(下)』の後日談、およびPart2とPart3の計3作
・青春学園ミステリー長編 1作
・青春部活もの長編 1作
もろもろの調整がつけば、増える可能性ありです。書きたいものが多すぎて困っています。
Q11・晴海まどかさんが注目していて、このコーナーで取り上げて欲しい、ほかのセルフパブリッシングをされている作者がいらっしゃいましたら、教えてください。
KDP風立ちぬ杯の発端でもある、落語小説を書いている十千しゃなおさん。
Q12・最後に、このインタビューの読者の方に、メッセージをお願い致します。
まずは、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
私は文章を書くことがものすごく好きです。変態的と言っても過言ではないくらい好きです。そんな私もこれまでは1人でコソコソコツコツ書いていたのですが、セルフパブリッシングに出会い、誰かに作品を読んでいただけるという幸せを噛みしめられるようになりました。本当にありがたいことです。あ〜面白かった、と読了後に言っていただけるような作品を書き続けられる書き手になることが今の最大の目標です。
今後もしばらくは月1冊ペースで作品をリリースしていく予定です。なんだかすごい勢いで書いている奴がいるぞ、と覚えていただければ嬉しい限りです。今後ともどうぞよろしくお願いします!
どうもありがとうございました。
(了)
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